重要事項説明書の確認ポイント|当日に初めて読むのでは遅い

契約・手続きの流れ

みなさんこんにちは!本音みなとです!

今日もみなさんと一緒に不動産についてお話していきたいと思います!

契約の前、分厚い書類を前にして、皆さんはこう思うはずです。

「これ、全部読むんですか・・・」

重要事項説明書、通称「重説(じゅうせつ)」。字は細かく、専門用語だらけで、しかも読み上げに1時間以上かかることもあります。

ただ、先に本音をお伝えしておきます。

【重要事項説明書を、契約当日に初めてお見せするやり方を、私はしません】

理由は、今日の記事を最後まで読んでいただければ分かります。

もちろん今日も、皆さんへの営業活動は一切しません笑

それでは行きましょう!

同じ「一行」を、聞き流した人と、聞き返した人

重要事項説明を受ける夫婦と担当者

今回もいつもの2人の様子を見ていきましょう!

【雑井さん】は、郊外の中古住宅を買うことにしました。土地が広く、価格も手ごろ。「いずれ親を呼んで、庭に小さな離れを建てよう」と考えていました。

重要事項説明書を見たのは、契約の当日が初めてです。

読み上げは1時間以上。途中から頭に入らなくなり、「法令上の制限」のところで読み上げられた【市街化調整区域】という一行も、そのまま聞き流してしまいました。

引渡しが終わってしばらくして、離れの相談をしに役所へ行ったとき、初めて知ります。

その土地は、離れを建てるための許可の条件を満たしていなかったんです。

「思い描いていた使い方が、できない・・・」

家は、もう雑井さんのものです。いまさら契約をやめることはできませんでした・・・

【貸鯉さん】も、同じような郊外の中古住宅を検討していました。

違ったのは、契約の1週間前に、重要事項説明書の写しをもらっていたことです。

家でゆっくり読んで、分からない言葉に印をつけていきました。そのひとつが【市街化調整区域】です。

説明の日、貸鯉さんは最初にこう聞きました。

「将来、庭に離れを建てたいんですが、この土地でできますか?」

担当者さんはその場で答えを出さず、役所に確認してから、建てるための条件を一緒に整理してくれました。

貸鯉さんは条件を理解したうえで、【納得して契約】しました✨️

同じ物件、同じ一行でした。

【違ったのは、その一行を読む時間があったかどうか】です。

①重要事項説明書は「契約をやめられる最後の書類」です

重要事項説明書が何かは、調べればすぐ出てきますし、AIに聞いてもきれいに説明してくれます笑

なので、ひとつだけ押さえてください。

重要事項説明は、宅地建物取引士が【契約が成立するまでの間に】行うことが、法律(宅地建物取引業法35条)で決まっています。

つまり、この説明を聞いて「やっぱりやめます」と言えるんです。【契約をやめられる、最後のタイミング】と言ってもいいですね。

そして実は、国土交通省もこう考えています。

重要事項の説明に先立って、あらかじめ全体像が分かる書面を渡して説明するのが【望ましい】。

義務ではありません。ただ、国も「当日にいきなり」より「先に目を通してもらう」ほうがいい、と考えているんです。

②いちばん大事なのは「あなたの使い方ができるか」です

更地になった土地

重要事項説明書には、たくさんの項目があります。全部大事です。

それでも、ひとつだけ選ぶとしたら、私はここを選びます。

【その土地で、あなたが考えている使い方ができるか】

家を建てる、建て替える、離れを建てる、お店や事務所にする、駐車場を増やす・・・

買った後に「思っていた使い方ができない」と分かっても、もう取り返しがつきません。これだけは、絶対に避けてほしいんです。

見るのは、重要事項説明書の「法令上の制限」というところです。

【市街化区域の場合】

「用途地域」で、建てられる建物の種類が決まっています。用途地域は全部で13種類あります。住宅専用の静かな地域では、お店や事務所を建てられないこともあります。

【市街化調整区域の場合】

法律で「市街化を抑制すべき区域」とされていて、原則として建物を建てることができません。建てるには、許可の条件を満たす必要があります。条件は市町村ごとに違うので、必ず個別に確認が必要です。

そして、ここがいちばん大事なところです。

【使い方は、担当者さんに先に伝えてください】

「将来、離れを建てたい」「1階でお店をやりたい」。これを伝えておけば、担当者さんは重要事項説明の前に、役所でそこまで確認できます。

伝えていないと、担当者さんは「普通に住む」前提でしか調べられません。

浜松で土地を探している方は、浜松で土地から探して家を建てるならの記事も読んでみてください。浜松は市街化調整区域がとても多い地域です。

③権利関係:その物件は、本当に売主さんのものか

書類に押された印鑑

次に見るのが、「権利」がどうなっているかです。

特に大事なのが【抵当権】の有無。

抵当権とは、売主さんがローンを借りるときに金融機関が設定する担保のことです。これが残ったままだと、最悪の場合、代金を払ったのに物件が自分のものにならないおそれがあります。

通常は引渡しと同時に抹消されますが、「いつ・誰が抹消するのか」を必ず確認してください。

  • 所有者は売主さん本人か
  • 抵当権はいつ抹消されるか

④インフラと私道:家は買えたのに、水道管を直せない

住宅街の前面道路

意外と見落とされがちなのが、水道・ガス・道路などの生活インフラです。

特に注意したいのが【私道】。

家の前の道が私道だと、その持ち分やメンテナンス費用を負担したり、水道管の工事をするときに他の持ち主の承諾が必要になったりします。

  • 前面道路は公道か私道か
  • 上下水道・ガスは敷地まで来ているか
  • 私道なら、掘削(くっさく)の承諾はもらえるか

【「家は買えたけど、水道管を直せない」ということは、本当にあります】

⑤売主さんの責任が「免責」になっていないか

契約書に署名する手元

ここは、重要事項説明と同じ日に説明される売買契約書の条件ですが、とても大事なのであわせてお伝えします。

中古住宅で、売主さんが個人の場合、買った後に見つかった不具合について売主さんが責任を負わない「免責」の約束になっていることがよくあります。この仕組みは契約不適合責任って何?の記事で詳しく書きました。

現場では、この免責の説明を聞いて、買主さんの判断が分かれます。

【リスクを抱えきれないと考えて、契約をやめる方】もいます。

一方で、全部を免責にするのではなく、【どうしても譲れない部分だけ、売主さんに責任を残してもらう】よう条件を変えて契約する方もいます。多いのは、地中に古い基礎やがれきなどが埋まっていた場合(地中埋設物)です。

免責は「交渉できない決まりごと」ではありません。気になるところは、説明の場で遠慮なく相談してください。

なお、免責の約束があっても、売主さんが【知っていて言わなかったこと】については、責任を免れることはできません(民法572条)。

⑥ローン特約と手付解除:「もしも」のときの出口

最後に、「もしも」のときの条件です。

特に大事なのが【ローン特約】。住宅ローンの審査が通らなかった場合に、契約を白紙に戻せる(手付金も戻ってくる)という、買主さんを守る約束です。

ただし、ローン特約には期限があります。期限を過ぎると使えなくなるので、住宅ローンの審査に落ちたの記事もあわせて読んでみてください。

  • ローン特約は付いているか、期限はいつか
  • 手付金はいくらで、いつまでなら解除できるか
  • 違約金は売買代金の何%か

⑦重要事項説明書を、契約当日に初めて見せない理由

担当者と話し合う買主

冒頭でお伝えした、私のやり方の話です。

私は、重要事項説明と売買契約に【しっかり日程を取ります】。そして、重要事項説明書は事前にお渡しして、読んでいただいてから説明に入ります。

理由はひとつです。

【納得して契約した買主さんは、その後に問題が起きにくいから】です。

当日に初めて見る1時間の読み上げで、全部を理解できる方はまずいません。分からないまま「はい」と言って契約すると、後で「そんなの聞いていない」となってしまいます。これは、買主さんにとっても、売主さんにとっても、不動産屋にとっても、いいことがひとつもありません。

逆に、事前に読んで、質問して、納得して判を押した方は、引渡しの後もスムーズです。

【ここだけの話】「契約の日にまとめて説明しますね」と言われることもあると思います。忙しい担当者さんにとっては、そのほうが楽なんです笑 でも、皆さんから「事前に写しをいただけますか?」と一言お願いすれば、たいていは対応してもらえますよ。

今日のワンポイント

たくさんお伝えしましたが、皆さんが気になるのは「結局、何をすればいいの?」ですよね笑

全部の項目を理解するのは、正直むずかしい・・・

しかし!ここだけはやってください。それは・・・

【重要事項説明書の写しを事前にもらって、分からないところに印をつけておく】

これです。

そして説明の日には、印をつけたところと、あなたの「使い方」を最初に質問してください。

なぜこの一手をおすすめするか、理由をお伝えします。

【聞き流してはいけない一行に、自分で気づけるのは、事前に読む時間があるときだけだからです】

冒頭の雑井さんと貸鯉さんの違いも、【その一行を読む時間があったかどうか】でした。

重要事項説明書は、皆さんを守るために作られた書類です。受け身で聞くのではなく、味方につけてしまいましょう!!

まとめ:重要事項説明 チェックリスト

くつろげる室内

説明の日までに、このリストを確認してください。

  • ☐ 重要事項説明書の写しを事前にもらい、分からないところに印をつけた
  • ☐ 自分の「使い方」(建てる・建て替える・離れ・店舗など)を担当者に伝えた
  • ☐ 市街化区域なら用途地域、市街化調整区域なら建てるための条件を確認した
  • ☐ 所有者は売主本人か、抵当権はいつ抹消されるか確認した
  • ☐ 前面道路(公道/私道)と、上下水道・ガスを確認した
  • ☐ 売主の責任が免責か、残してほしい部分はないか確認した
  • ☐ ローン特約の有無と期限、手付解除・違約金の条件を確認した

契約するのは「みんな」ではなく「あなた」です。納得してから、判を押しましょう。

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

重要事項説明で気になったこと、「この条件って普通なの?」という疑問など、コメントで気軽に教えてください!

すでにお家を買われた先輩方!重要事項説明で「ここを聞いておいてよかった」ということがあれば、後輩のみなさんに是非教えてください✨️

一緒に、後悔しない不動産取引を目指しましょう!

不動産売買仲介歴12年。「キレイごとなし、業界の本音」をコンセプトに情報発信中。

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