両手仲介とは?|問題は仕組みではなく、担当者の立ち位置です

業界の裏側・業者選び

みなさんこんにちは!本音みなとです!

今日もみなさんと一緒に不動産についてお話していきたいと思います!

「両手仲介って、結局は業者が得をするだけの仕組みなんでしょ・・・」

ネットで調べると、そう書いてある記事もたくさんありますよね。

まずは前提の整理から!

片手仲介とは・・・売主さん側と買主さん側に、それぞれ別の不動産会社が入る取引のことです。

両手仲介とは・・・売主さんと買主さんの両方を、同じ不動産会社が担当する取引のことです。仲介手数料を両方からもらえます。

そして、先に本音をお伝えしておきます。

【私は、両手仲介をします。ただし、条件があります】

その条件が、今日の記事のいちばん大事なところです。

もちろん今日も、皆さんへの営業活動は一切しません笑

それでは行きましょう!

同じ「両手仲介」でも、結果が分かれた二人

今回もいつもの2人の様子を見ていきましょう!

【雑井さん】は、家を売ることにしました。大手の不動産会社1社に、専任媒介でお願いしました。

ところが、3ヶ月たっても内覧はほとんど入りません。担当者さんからは「反響が少ないので、価格を下げましょう」と言われ、雑井さんは言われるまま値下げしました。

その直後、担当者さんの会社のお客さんが買主に決まりました。両手仲介です。

実はこの3ヶ月の間、ほかの不動産会社から「うちのお客さんに案内したい」という問い合わせが何件も入っていました。でも担当者さんは、そのたびに「いま商談中です」と断っていたんです。

雑井さんがそれを知ることは、ありませんでした・・・

【貸鯉さん】も、家を売ることにしました。

貸鯉さんは、2社に一般媒介でお願いしました。そして2社とも、レインズ(不動産会社どうしで物件情報を共有する仕組み)に登録してもらいました。

しばらくして、そのうち1社の担当者さんが、自分の会社のお客さんを買主として連れてきました。こちらも両手仲介です。

買主さんからは値引きの希望がありました。担当者さんは、買主さんの「ここまでなら出せる」と、貸鯉さんの「ここまでなら下げられる」を、両方からじっくり聞きました。

そのうえで、二人ともが納得できる金額を提案してくれたんです。

売買は、その金額でまとまりました✨️

どちらも両手仲介でした。

【違ったのは、両手仲介だったかどうかではなく、担当者さんが天秤のどこに立っていたか】です。

①両手仲介は、日本では違法ではありません

両手仲介の仕組みは、調べればすぐ出てきますし、AIに聞いてもきれいに説明してくれます笑

なので、ポイントだけ押さえましょう。

日本では、両手仲介は法律で認められています。アメリカでは禁止している州もありますが、全体から見れば一部の州で、多くの州は条件つきで認めています。

そして正直に言うと、両手仲介は【不動産会社にとってありがたい取引】です。

仲介手数料を売主さんと買主さんの両方からいただけるので、同じ1件の取引で、売上が片手の2倍になります。不動産会社が「できれば両手で」と考えたくなるのは、本当の話です笑

問題は、その気持ちが「売主さんの利益」より前に出てしまったときです。それが冒頭の雑井さんのケースでした。

②両手仲介で、私がいちばん大切にしていること

両手仲介をするとき、私がいちばん大切にしているのは、これです。

【自分の立場を、天秤の真ん中に置くこと】

売主さんは、少しでも高く売りたい。買主さんは、少しでも安く買いたい。両手仲介の担当者は、その両方の気持ちを同時に預かっています。

どちらかに肩入れした瞬間、もう片方は損をします。

だから私は、こう考えています。

【どちらかに肩入れしてしまうなら、両手仲介はするべきではありません】

「この売主さんは大事なお客さんだから」「この買主さんは知り合いだから」。そう感じたら、その取引は両手にしないほうがいいんです。

③両手仲介だからこそ、できること

ここまで読むと、「やっぱり両手仲介はやめたほうがいいのでは?」と思われたかもしれません。

でも、両手仲介には、片手仲介にはない強みがあります。

【売主さんと買主さんの両方と、直接話ができる】ことです。

片手仲介では、担当者が話せるのは自分のお客さんだけです。相手側の本音は、相手側の不動産会社を通してしか伝わってきません。そして担当者は、自分のお客さんの利益だけを追いかける仕事をします。

両手仲介なら、売主さんの「本当はここまでなら下げられる」と、買主さんの「本当はここまでなら出せる」を、両方から聞くことができます。

だから、【両方が納得できる落としどころ】を探せるんです。冒頭の貸鯉さんの取引が、まさにこれでした。

片手仲介と両手仲介の決定的な違いは、ここにあります。

④問題は「囲い込み」。そして、売主さんからは見えにくい

両手仲介でいちばん問題になるのが、【囲い込み】です。

囲い込みとは、自分の会社で両手仲介にするために、ほかの不動産会社からの問い合わせを断って、物件を紹介させないことです。冒頭の雑井さんの担当者さんがやっていたのが、これですね。

この囲い込みについては、国も動いています。2025年1月から、レインズに登録した物件の取引状況(「公開中」「書面による購入申込みあり」など)を正しく登録することが不動産会社に義務づけられ、実態と違う登録をすると行政処分の対象になりました。

売主さんがレインズの画面で自分の物件の状況を確認する方法は、レインズとは?の記事で詳しく書いています。

ただし!ここからが現場の本音です。

【売主さんが専任媒介で1社に任せていると、囲い込みに気づくのはとても難しい】んです。

レインズの画面上は「公開中」になっていても、ほかの不動産会社から電話で問い合わせがあったときに「いま商談中です」と断ってしまえば、その話は売主さんのところまで届きません。

届かない話には、気づきようがないんです。

⑤売主さんの身の守り方:一般媒介で2〜3社に頼む

では、売主さんはどうすればいいのか。

私のおすすめは、【一般媒介で、2社か3社に依頼すること】です。

一般媒介なら、複数の不動産会社に同時にお願いできます。1社が囲い込みをしても、ほかの会社が買主さんを連れてきてくれます。そもそも、囲い込みをする意味がなくなるんです。

ただし、ポイントが2つあります。

【多すぎないこと】

一般媒介は、ほかの会社に決められたらそれまでの労力がゼロになるので、後回しにされやすいという弱点があります。10社も20社もお願いすると、どこも本気で動いてくれません。2〜3社に絞るのがちょうどいいんです。この仕組みは専任媒介と一般媒介、どちらを選ぶべきかの記事で詳しく書きました。

【レインズに登録してもらうこと】

一般媒介は、レインズへの登録が義務ではありません。「レインズにも登録してください」と、お願いしておきましょう。

⑥買主さんから見た両手仲介

買主さんの立場からも、両手仲介を見ておきましょう。

よく「両手仲介だと値引き交渉が通りにくい」と言われます。担当者さんが売主さんからも手数料をもらうので、売主さんの手取りが減る話を強く押しにくい、という理由です。

これは、担当者さんが売主さん側に肩入れしている場合には、その通りです。

でも、担当者さんが天秤の真ん中に立っているなら、話は逆です。売主さんの「ここまでなら下げられる」を知っているのは、その担当者さんだけ。【落としどころを一番探しやすいのは、両手仲介の担当者】なんです。

それに、両手仲介なら、担当者さんはすでにあなたを買主として話を進めています。交渉している間に、ほかの会社のお客さんに先を越されにくい、という面もあります。

⑦不動産会社を、警戒しすぎると損をします

最後に、これだけはお伝えしておきたいことがあります。

【不動産会社を警戒しすぎると、損をします】

信じられないかもしれませんが、本当の話です。

不信感が強いお客さんは、情報を出し渋り、全部を疑い、同じ確認を何度も繰り返します。そうなると、担当者も必要以上に慎重になってしまいます。

一方で、「この人は自分を信頼してくれている」と感じると、担当者は自然と誠実に、一生懸命に動きます。不動産屋さんも人ですからね笑

もちろん、すべての不動産会社が誠実だとは言いません。だからこそ、【誰に頼むか】がいちばん大事なんです。担当者の見極め方は、不動産会社の担当者選びで人生が変わる理由にまとめています。

今日のワンポイント

両手仲介の良いところも悪いところもお伝えしました。皆さんが気になるのは「結局、売主はどうすればいいの?」ですよね笑

担当者さんが天秤の真ん中に立っているかどうかは、外からは見えにくい・・・

しかし!売主さんにできることが、ひとつあります。それは・・・

【一般媒介で2〜3社に依頼して、各社にレインズへの登録をお願いする】

これです。

なぜこの一手をおすすめするか、理由をお伝えします。

【ほかの会社の買主さんが入ってこられる道を、売主さん自身の手で確保できるからです】

担当者さんを疑う必要はありません。仕組みのほうで、囲い込みができない状態にしておけばいいんです。

冒頭の雑井さんと貸鯉さんも、どちらも両手仲介でした。違ったのは、【ほかの道が開いていたかどうか】です。

まとめ

【両手仲介とは】→ 売主さん・買主さんの両方を同じ会社が担当する取引。日本では合法

【不動産会社にとって】→ 手数料が両方から入るので、ありがたい取引なのは本当

【いちばん大切なこと】→ 担当者が天秤の真ん中に立っているか。肩入れするなら両手はするべきではない

【両手仲介の強み】→ 両方の本音を聞けるので、納得できる落としどころを探せる

【囲い込み】→ 2025年1月から処分の対象に。ただし電話で断られると売主さんには見えない

【売主さんの守り方】→ 一般媒介で2〜3社。各社にレインズ登録をお願いする

【買主さんから見ると】→ 真ん中に立つ担当者なら、落としどころを一番探しやすい

【今日の一手】→ 一般媒介で2〜3社に依頼し、レインズへの登録をお願いする

両手仲介は、仕組みそのものが悪いわけではありません。【問題は、担当者さんが天秤のどこに立っているか】です。

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

両手仲介で気になっていること、「これって囲い込み?」と感じたことなど、コメントで気軽に教えてください!

すでに家を売った・買った先輩方!両手仲介でどうだったか、後輩のみなさんに是非教えてください✨️

一緒に、後悔しない不動産取引を目指しましょう!

不動産売買仲介歴12年。「キレイごとなし、業界の本音」をコンセプトに情報発信中。

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