不動産買取と仲介の違い|7〜8割になる残りの2〜3割はどこへ行くのか

売却の進め方

みなさんこんにちは!本音みなとです!

前回の最後に、こうお伝えしました。売り方には2つあって、そこには必ず【差額】があります、と。

その差額、いくらか知っていますか!?

実は、この差額はネットで検索すると出てきます。【買取は相場の7〜8割】。問題解決ですね!今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!

それではまた次回もお楽しみに👋・・・

失礼しました🙇‍♂️ここで終わるわけありませんよね笑

本音を見にきてくれている皆さんは、買取相場は7〜8割と知っている方もいるかもしれません。

残りの2〜3割は、どこにいってしまうのでしょうか??

【7〜8割と書いてある記事はたくさんあるのに、残りの2〜3割がどこへ行くのかを書いた記事を、ほとんど見かけません】

なぜ記事が無いのかわかりますか??

それは業者さんにとって都合の悪いこともあるからですね笑

この2〜3割の正体が分かると、買取が損なのかどうかを、ご自身で判断できるようになります。

今回も包み隠さず本音を書いていきます。

もちろん今日も、皆さんへの営業活動は一切しません笑

それでは行きましょう!

同じ差額を前にして、逆の結論を出した二人

今回もいつもの2人の様子を見ていましょう!

【雑井さん】は、急な転勤で家を売ることになりました。

買取業者さんに来てもらって、提示されたのが2,400万円。「今月中に決めていただければ、この金額で」と言われて、その場で決められたそうです。

数ヶ月後、雑井さんは偶然その家を見つけました。ポータルサイトに、3,000万円で売り出されていたんです。

そこで初めて、【自宅を安く売却していた・・・ということを知りました】

「損したってことですよね」と言われましたが、私はそうは思いません。問題は損得ではなく、【決めるときに差額を知らなかった】ことのほうです。

【貸鯉さん】も、ほぼ同じ状況でした。転勤、時間がない、買取を勧められた。

ただ貸鯉さんは、ひとつだけ質問をされたんです。

「これ、仲介で売るとしたらいくらになりますか?」

返ってきた答えは3,000万円。買取は2,400万円。差は600万円でした。

そのうえで、貸鯉さんは計算されました。仲介なら3ヶ月前後かかる。そのあいだ、こちらのローンと転勤先の家賃が重なる。しかも3ヶ月で売れる保証はない。

結論として、貸鯉さんは【買取を選ばれました】

同じ差額を前にして、逆の結論に見えますよね。でも決定的に違うのは、【貸鯉さんは600万円で何を買っているかを分かっていた】ということです。

①買取と仲介、何が違うのか

ここは調べればすぐ出てきますし、AIに聞いてもきれいな比較表が返ってくるので、手短にいきますよ笑

ひとことで言うと、【買主が誰か】の違いだけです。

【仲介】…買主は一般の個人。不動産会社は間に入って探す人 【買取】…買主は不動産会社そのもの。探す人はいない

ここから、価格も期間も手数料も全部が分かれます。

  • 価格 → 仲介は相場どおり/買取は【相場の7〜8割】
  • 期間 → 仲介は3ヶ月〜半年程度/買取は最短で数日
  • 仲介手数料 → 仲介はかかる/買取は原則かからない
  • 近所に知られるか → 仲介は広告を出す/買取は出す必要なし

大事なのはこの先です。【なぜ7〜8割になるのか】

②残りの2〜3割は、どこへ行くのか

それでは今日の本題です。

先に答えを言うと、【消えているのではなく、買った会社がこれから払う費用と、負うリスクに変わっています】

順番に見ていきます。

【リフォーム費用】

買取業者さんは、そのまま住むために買っているのではありません。直して、次の方に売るために買っています。だから買った後に工事が入ります。この費用は、買う時点の金額から引かれています。

【在庫を持っている期間のコスト】

これは見えにくいところですね。

会社が家を買うときは、たいてい借入をします。売れるまで金利を払い続け、固定資産税も払います。

3,000万円の物件を金利2%で仕入れた場合、【半年売れなければ約120万円、1年なら約250万円】が出ていく計算になります。

売れるまでの時間が、そのままお金なんです。

【消費税】

これはあまり語られませんが、地味に効きます。

個人の方が自宅を売るとき、建物に消費税はかかりません。ですが【会社が売主になると、建物部分に消費税がかかります】

同じ家を同じ値段で売っても、業者が売るほうが手取りが減ります。その分は、買うときの金額に織り込まれます。

※消費税の扱いは事業者の状況で変わります。詳しくは税理士さんの領域です。

【売れ残るリスク】

仲介では、売れなければ売主が待ちます。買取では、売れなければ【会社が抱えます】。このリスクの代金も入っています。

【会社の利益】

もちろん、これも入っています。ただ、業界で言われる粗利の目安は15%前後です。2〜3割が丸ごと利益になっているわけではありません。

③だから買取が安いのは、ぼったくりではありません

ここまでを理解すると、7〜8割という数字の意味が変わって見えてきませんか。

買取価格=相場−(リフォーム+在庫コスト+消費税+リスク+利益)

つまり買取とは、【本来なら売主が背負う時間とリスクを、お金で会社に渡す取引】なんです。

雑井さんが渡した600万円は、消えたわけではありません。ただ、【何と引き換えに渡したのかを知らないまま渡した】。そこだけが問題でした。

④買取のほうが合っている場面

結論から言うと、【時間かリスクのどちらかが、お金より重いとき】です。

現場でよく見るのは、この5つです。

  • 期限がある(転勤・離婚・住み替えの決済日が決まっている)
  • 近所や職場に知られたくない
  • 再建築不可など、一般の買主に住宅ローンが通りにくい物件
  • 残置物が多い、傾き・雨漏りなど不安のある建物
  • 相続で共有者が多く、長引かせたくない

期限のある売却については離婚したら家と住宅ローンはどうなる?にも書きました。

逆に、【急いでいない・立地が良い・建物がきれい】なら、仲介で待ったほうがまず高くなります。

⑤買取だと、契約不適合責任を外せることがあります

これは意外と知られていません。

家を売った後で雨漏りやシロアリが見つかると、売主が責任を負うことがあります。契約不適合責任というものですね。

買取では、この責任を【免責にする特約】を結べる場合があります。

理由は法律にあります。宅地建物取引業法40条には、こう書かれています。

宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地又は建物の売買契約において、…その目的物の引渡しの日から二年以上となる特約をする場合を除き、…買主に不利となる特約をしてはならない

読みにくいですよね💦 大事なのは【自ら売主となる】という部分です。

この決まりは【会社が売る側のときに、買う個人を守るためのもの】なんです。買取は逆で、会社が買う側になります。だからこの制限がかかりません。

古い家や、状態に不安のある家を売るとき、【後から責任を追及されない】というのは、価格差以上に価値があることがあります。

ただし、免責になると決まっているわけではありません。契約でどう決めるか次第です。契約書を必ず確認してください。

⑥迷うなら、買取保証付き仲介という中間もあります

【まず仲介で売ってみて、期限までに売れなければ約束の金額で買い取ってもらう】という方法です。

3ヶ月から6ヶ月ほど普通に売り出して、売れ残ったら会社が買う。大手を中心に扱いがあります。

いいとこ取りに見えますよね。実際、【売れなかったらどうしよう】という不安は消えます。

ただし注意点があります。

買い取ってもらう金額は、やはり相場の7〜8割程度です。そして、その金額と期限を【最初に書面で決めているか】が肝心です。ここが曖昧なまま進むと、期限が来てから条件を切り出されることがあります。

⑦こう勧められたら、一度止まってください

最後に、これだけはお伝えしておきます。

仲介で預かった物件が売れないとき、【うちで買い取りましょうか】と言われることがあります。

親切な提案であることも、もちろんあります。ですが、【売れないように動いてから買い取る】ということが、構造としては可能なんです。

広告を絞る。他社からの問い合わせに応じない。そうしておいて「売れませんね」と言い、買取を提案する。

こういう動きがなぜ起きうるのかは、レインズとは?に書きました。

見分け方は難しくありません。【売れなかった理由を、数字で説明できるか】です。

問い合わせが何件あったか。内覧が何件あったか。どの価格帯で反応が止まっているか。ここを答えられる会社なら、買取の提案も信じていいと思います。

答えられないのに買取だけ勧めてくるなら、一度持ち帰ってください。売れない理由の切り分け方は不動産が売れない原因は3つにまとめています。

今日のワンポイント

【買取の査定を頼むときは、同時に「仲介で売るならいくら?」も必ず聞く】

これだけです。ひと言だけ足せば済みます。

前回、離婚のときは【残債と査定額】の2つを先に出しましょう、とお伝えしました。今回も同じです。数字は、2つ並べて初めて意味を持ちます。

買取価格だけを見せられると、それが高いのか安いのか分かりません。仲介価格と並べて初めて、差額が見えます。

なぜこの一手をおすすめするか、理由をお伝えします。

【差額が分かって初めて、その差額で時間を買う価値があるかを、自分で判断できるからです】

雑井さんと貸鯉さんは、まったく同じ600万円の差額を前にしていました。結論は逆でしたが、【納得して決められたのは貸鯉さんだけ】です。

違ったのは、質問をひとつしたかどうかでした。

まとめ

【違いは買主が誰か】→ 仲介は個人が買う。買取は会社が買う。ここから全部が分かれる

【7〜8割の理由】→ リフォーム+在庫コスト+消費税+売れ残りリスク+利益

【在庫コスト】→ 3,000万円・金利2%なら半年で約120万円、1年で約250万円

【消費税】→ 個人が売れば建物は非課税。会社が売ると課税される

【買取が合う場面】→ 期限がある/知られたくない/ローンが通りにくい/建物に不安/共有者が多い

【契約不適合責任】→ 買取なら免責特約を結べる場合がある。ただし契約次第

【買取保証付き仲介】→ 金額と期限を最初に書面で決めておく

【止まるべきとき】→ 売れなかった理由を数字で説明できない会社の買取提案

【今日の一手】→ 買取査定と一緒に「仲介ならいくら?」を必ず聞く

買取は、悪い選択肢ではありません。私も、状況によってはおすすめします。

ただ、【知らないまま渡すのと、分かって渡すのとでは、あとの気持ちがまったく違います】

同じ600万円でも、「取られた」と思うのか「時間を買った」と思うのか。その分かれ目は、たったひと言の質問なんです。

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

買取を勧められて迷っている方、実際に聞いてみた結果など、コメントで気軽に教えてください!

すでに買取で売られた先輩方!実際どうだったか、後輩のみなさんに是非教えてください✨️

一緒に、後悔しない不動産取引を目指しましょう!

不動産売買仲介歴12年。「キレイごとなし、業界の本音」をコンセプトに情報発信中。

次回予告

【次回:住みながら売るか、空にしてから売るか|内覧で差がつくのはどちらか】

今日お話しした買取なら、内覧はありません。会社が直接見て、直接買うからです。

ですが仲介で売るなら、知らない方が家に上がってきます。そのとき【住んだまま見せるか、空にしてから見せるか】で、結果がけっこう変わります。

どちらが高く売れるのか。空にすると何ヶ月分の負担が増えるのか。次回はそこを書きます。

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