住みながら売るより空室が早い|理由は「見た目」ではありません

売却の進め方

みなさんこんにちは!本音みなとです!

今日もみなさんと一緒に不動産についてお話していきたいと思います!

「売れるまでは、このまま住んでいればいいか・・・」

家を売ると決めたとき、多くの方がまずこう考えます。売れたお金で次の家を買うなら、なおさらですよね。

前回の最後に、こうお伝えしました。買取なら内覧はありません。でも仲介で売るなら、知らない方が家に上がってきます。そのとき【住んだまま見せるか、空にしてから見せるか】で、結果がけっこう変わります、と。

今日も結論からお伝えします。

【早く売れるのは、空室です】

内覧に立ち会ってきた、正直な感想ですね。

ただ、その理由を「部屋が広く、きれいに見えるから」と思っているあなた!!半分正解です笑

残りの半分が分かると、住みながら売る方でも、空室に近づけることができます。

それと、もうひとつ。不動産屋が「空室のほうが売れますよ」と言うとき、そこには不動産屋の都合も少しまざっています笑

そこも隠さずお伝えします。

もちろん今日も、皆さんへの営業活動は一切しません笑

それでは行きましょう!

同じ「住みながら」でも、結果が分かれた二人

今の家に住みながら売却を進める決断をした雑井さんと貸鯉さん。今回の2人はどんな様子でしょうか。みなさん一緒に見ていきましょう!

【雑井さん】は、住み替えのために、家を3,000万円で売り出しました。売れたお金で次の家を買う予定なので、住みながらの売却です。

内覧の日は、家族そろって家で待っていました。付いて回ったりはしません。リビングで静かに座って、聞かれたことにだけ答える。内覧を成功させる7つの準備でお伝えした「いる、でも、いない」を、きちんと守っていました。

買主さんは皆さん感じよく、「素敵なお家ですね」と言って帰っていきます。

でも、申し込みは入りません。

2ヶ月で、内覧は6組

申し込みは、ゼロでした。

担当者さんからは「そろそろ価格を見直しましょうか」と言われています・・・

【貸鯉さん】も、同じ3,000万円、同じく住みながらの売却でした。

違ったのは、内覧の時間の過ごし方です。

貸鯉さんは、担当者さんと何度もやり取りをするうちに、「この人なら任せられる」と思えるようになっていました。そこで内覧の時間は、家族で近所のカフェへ。日当たりやご近所のこと、光熱費などの暮らしの情報は、A4一枚にまとめて担当者さんに渡しておきました。

誰もいない家で、買主さんは収納を全部開けて、ご夫婦で1時間近く話し込んでいかれたそうです。

3組目の内覧で、申し込みが入りました。価格は、ほぼ売り出し価格のままです✨️

二人とも、家はきれいにしていました。付いて回ってもいません。

【違ったのは、内覧のとき家に誰がいたか】。それだけです。

①早く売れるのは、空室です

改めて、今日の結論です。

住みながら売るか、空にしてから売るか。売れるまでの早さで比べるなら、【空室のほうが間違いなく早い】です。

住みながら売るメリット・デメリットは、AIに聞けばきれいに並べてくれます笑

メリットは、仮住まいや二重の支払いがいらないこと。デメリットは、内覧のたびの掃除と日程調整。どれも正しいです。

ただ、そこには「なぜ空室のほうが早いのか」の本当の理由が出てきません。このブログを読んでくださっている皆さんには、そこをちゃんと理解してほしいので、キッチリお伝えします。

②理由は「見た目」ではありません

空室が早く売れる理由は、よく「生活感がないから」「部屋が広く見えるから」と説明されます。それも間違いではありません。

でも現場で見ていると、いちばん大きいのは別のところにあります。

【売主さんがいる家では、買主さんは遠慮して、納得いくまで見られない】んです。

考えてみてください。知らない方のお宅にお邪魔して、

  • クローゼットの奥まで開けて見る
  • お風呂の床にしゃがんで確かめる
  • 夫婦で「狭くない?」と言い合う
  • 窓を開けて、外の音を聞いてみる

家の方がリビングにいたら、これ、できますか?

不動産屋の私でも、生活しているご本人たちを前に、そんなことできません笑

内覧を成功させる7つの準備では「付いて回らないでください」とお伝えしました。でも実は、【付いて回らなくても、家にいるだけで遠慮は生まれます】

そして、【納得いくまで見られなかった家は、なかなか選ばれません】

買主さんにとって、家は人生でいちばん高い買い物です。気になるところを確かめきれないまま、申し込みはできないんですよね。

内覧は入るのに、申し込みが入らない。雑井さんのようにそうなったとき、値下げを考える前に、内覧のとき家に誰がいたかを一度思い出してみてください。

③「家具があるほうがイメージしやすい」は、住んでいる家では逆です

住みながら売るメリットとして、「家具が置いてあるほうが、暮らしをイメージしやすい」と書かれていることがあります。

確かにその一面もあります。が!それは新築やリフォーム済みの生活感の無いお部屋に限ります💦

実際に暮らしている部屋で、買主さんに見えているのは【売主さんの暮らし】です。ソファの位置、カーテンの色、子ども部屋のポスター。どれも素敵ですが、全部よそのお宅のものなんです。

空っぽの部屋だと、買主さんは頭の中で自分の家具を置き始めます。「ソファはここだね」「この壁にテレビかな」。空室の内覧では、ご夫婦のこういう会話がよく聞こえてきます。

【自分たちの暮らしが描けた家は、決まりやすい】。現場の感覚では、これははっきりしています。

④不動産屋も、空室のほうがやりやすい

不動産屋としてぶっちゃけ話もお伝えしましょう笑

空室の家は、不動産屋が鍵を預かることが多いです。すると、【買主さんの都合だけで、内覧の日時を決められる】ようになります。

「今日の夕方、見られますか?」と聞かれて、「大丈夫ですよ、行きましょう!」と即答できる。売主さんに連絡して、ご都合を聞いて、また折り返して・・・がいりません。

正直に言うと、不動産屋としてはとてもやりやすいです笑

もちろん、それ自体は悪いことではありません。買主さんの「見たい」という気持ちが冷めないうちに案内できるので、売主さんにとってもプラスです。

ただ、ひとつ知っておいてほしいことがあります。

不動産屋の報酬は、売れた金額で決まります。だから不動産屋の目線は【高く、早く売れるか】までです。

【空にするために皆さんが払う家賃や引越し代は、不動産屋の計算には入っていません】

「空室のほうが売れますよ」は本当です。でも、それで得をするかどうかは、皆さんのお財布で計算するしかないんです。

⑤「空室は6.7%高く売れる」という数字について

調べていると、「空室のほうが6.7%高く売れる」という数字を目にすることがあります。

大手の不動産会社が、実際の成約データを分析して出したものです。しっかりした調査だと思います。

ただ、中身を読むと、これは【賃貸中の部屋(ほかの方が借りて住んでいる部屋)と、空室の比較】なんです。

高くなる理由として挙げられているのも、「借りている人の権利が付いている」「賃貸中は中を見られない」の2つ。【売主さんが自分で住んでいる家には、どちらも当てはまりません】

では、自分が住んでいる家と空室で、値段にどれくらい差が出るのか。

これをはっきり示したデータは、私が調べた限り見当たりませんでした。

現場の感覚でも、差が出るのは値段より【早さ】です。

ただ、早さはあとから値段に効いてきます。売り出して時間がたつほど「なぜ売れ残っているんだろう」と思われて、値下げの相談が出やすくなるからです。

高く売るための売り出し価格の決め方でもお伝えしたとおり、【一番いい買主さんは、最初の2週間に来ます】

⑥空にするお金は、皆さんのお財布から出ます

さて、少し長くなってきましたが、ここからは大事なお金の話です!

前回の予告で「空にすると何ヶ月分の負担が増えるのか」とお伝えしました。

まず、住んでいても空けても【変わらないお金】があります。

  • 固定資産税
  • 住宅ローンの返済
  • マンションなら管理費・修繕積立金

これは、売れるまでどちらにしても支払いが続きます。空にしたから増えるわけではありません。

空にすると【増えるお金】は、こちらです。

  • 新しい住まいの家賃(またはローン)
  • 引越し代(仮住まいなら2回分)
  • 空き家の電気・水道の基本料金

電気と水道は、内覧で照明をつけたりトイレを確かめたりするので、止めないでおきましょう。

それと、空き家になると、火災保険の契約によっては保険会社への連絡が必要になることがあります。空ける前に、一度確認しておくと安心です。

いちばん大きいのは、もちろん家賃です。

たとえば家賃10万円の部屋に先に移って、売れるまで3ヶ月かかったら30万円。半年なら60万円です。

3,000万円の家なら、【価格の1〜2%を、空にするために払う】計算になります。

⑦もう新居がある方は、迷わず空室に

ここまでを踏まえると、判断はシンプルです。

【すでに新しい家に住んでいる方は、迷わず空にして売り出してください】

先に新居を買った方、転勤で先に引っ越した方。こういう方は、空けるための追加のお金がほとんどかかりません。空室の早さを、ほぼそのまま手に入れられます。

このときは、家具も残さないのがおすすめです。③でお伝えしたとおり、空っぽのほうが、買主さんは自分たちの暮らしを描けます。

一方、売れたお金で次の家を買う方。こういう方が、空にするためだけに仮住まいを借りるかどうかは、【家賃×売れるまでの月数】で考えます。

売れるまでの月数は、担当者さんに「空室なら何ヶ月、住みながらなら何ヶ月くらいで売れそうですか?」と聞けば、目安を出してくれます。

とはいえ、仮住まいを借りてまで空ける方は多くありません。お金もかかりますし、引越しも2回になります。仮住まいの考え方は、買い替えは売り先行と買い先行どちらがいい?に詳しく書きました。

では、住みながら売る方は、空室にはかなわないのでしょうか。

ご安心ください!住みながらでも、空室に近づける方法があります。

⑧住みながら売るなら、内覧の時間は家を空ける

②でお伝えしたとおり、買主さんが遠慮する原因は【家に売主さんがいること】でした。

ということは、内覧の時間だけ家を空ければ、住みながらでも空室に近い内覧になります。

実際、現場ではよくあることです。売主さんは内覧の時間だけ外出して、案内は不動産屋に任せる。冒頭の貸鯉さんが、まさにこれでした。

ただし!これには条件があります。

【売主さんと担当者さんのあいだに、信頼関係ができていること】です。

留守の家に知らない方を入れるわけですから、「この人になら任せられる」と思えなければ、できませんよね。

もちろん、貴重品はしまっておくか、持って出てくださいね。

暮らしの質問(日当たり、ご近所、光熱費など)は、A4一枚にまとめて担当者さんに渡しておけば大丈夫です。これは内覧を成功させる7つの準備のチェックリストにも入れています。

まだそこまでの関係ができていないなら、無理に家を空ける必要はありません。その場合は、せめて【いる、でも、いない】を。挨拶だけして、リビングで静かに待つ。それだけでも、買主さんの遠慮はずいぶん軽くなります。

そして、これは現場で感じていることなのですが。

【売主さんが信頼して任せてくれる物件は、不思議と早く売れます】

任せてもらった以上、担当者も本気になりますからね!!

今日のワンポイント

住みながら売るか、空にするか。皆さんが気になるのは「結局、うちはどっちなの?」ですよね笑

新居の状況も、お金の事情も、ご家族それぞれ。全員に同じ答えを出すのは難しい・・・

しかし!住みながら売る方に、ここだけはやってほしいことがあります。それは・・・

【内覧の時間は家を空けて、担当者さんに任せる】

これです。

もちろん、いきなりは無理です。だからこそ売り出す前から担当者さんとよく話して、「この人になら鍵を預けられる」と思える関係を作っておいてください。

なぜこの一手をおすすめするか、理由をお伝えします。

【住みながらでも、買主さんが遠慮しない時間を作れば、空室に近い内覧になるからです】

冒頭の雑井さんと貸鯉さんは、同じ価格、同じ住みながらの売却でした。家もきれいにしていました。違ったのは、内覧のとき家に誰がいたかだけです。

そしてもうひとつ。【鍵を預ける気になれない担当者さんなら、それ自体がひとつのサイン】です。任せられる担当者さんの見つけ方は、売却に強い不動産会社の選び方にまとめています。

売り出す前の打ち合わせから、ぜひ意識してみてください!!

まとめ

【早く売れるのは空室】→ 住みながらより、間違いなく早い

【理由は見た目ではない】→ 売主さんがいると、買主さんは遠慮して見きれない

【住んでいる家の家具は逆】→ 空っぽのほうが、自分たちの暮らしを描ける

【不動産屋の本音】→ 鍵を預かれば、買主さんの都合で案内できる

【6.7%の数字】→ 賃貸中と空室の比較。住んでいる家の話ではない

【増えるお金】→ 家賃・引越し代・基本料金。家賃10万円なら3ヶ月で30万円

【新居がある方】→ 迷わず空室に。家具も残さない

【住みながらの方】→ 内覧の時間は家を空けて、担当者さんに任せる

【今日の一手】→ 鍵を預けられる関係を、売り出す前に作っておく

住みながら売るのは、悪い選択ではありません。むしろ、多くの方がそうされています。

ただ、【家がきれいかどうか】より【家に誰がいるか】のほうが、内覧の結果を左右します。

大切なお家を、買主さんに思う存分見てもらいましょう!

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

住みながらの売却で困っていること、内覧で気になったことなど、コメントで気軽に教えてください!

すでに住みながら売られた先輩方!内覧のときどうされていたか、後輩のみなさんに是非教えてください✨️

一緒に、後悔しない不動産取引を目指しましょう!

不動産売買仲介歴12年。「キレイごとなし、業界の本音」をコンセプトに情報発信中。

次回予告

【次回:境界と越境|隣とのはみ出しは、売るときに効いてきます】

今日は、家の「中」をどう見せるかのお話でした。次回は、家の「外」のお話です。

お隣の塀が、少しこちらにはみ出している。自分の家の屋根が、お隣の敷地の上に出ている。住んでいる間は、誰も困りません。

ところが売るときになると、急に問題になることがあります。そのはみ出しが売却にどう効いてくるのか、現場でどう片付けているのかを、次回お伝えしていきます!

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