みなさんこんにちは!本音みなとです!
今日も不動産の本音をお伝えしていきます。今回のテーマは「事故物件」。
ちょっとインパクトのあるテーマですね・・・
けど、心霊系や幽霊の話はありませんので安心してください笑
もちろん今日も、皆さんへの営業活動は一切しません!
それでは行きましょう!
前回は旗竿地のお話でした。旗竿地は現地に行けば分かります。現地を測れば分かります。役所に聞けば分かります。
でも今日のテーマは、現地に何度足を運んでも分かりません・・・
【その部屋で、過去に何があったか】
いわゆる事故物件です。
このテーマ、調べるとこう書いてあります。「賃貸は3年、売買は無期限」と。
・・・これについて、私は「正確ではない」と考えています。そしてもっと大事なことが、あまり語られていません。
今日はそこをお話しします。それでは先に結論です!
【不動産屋が把握しているのは、売主さんが紙に書いた内容だけかもしれません】
驚きましたか? でもこれ、国のガイドラインにはっきり書いてあることなんです。
今回も貸鯉さんと雑井さんの例を見てみましょう!
雑井さんは中古マンションを購入しました。重要事項説明でも何も言われず、気持ちよく引っ越したそうです。ところが入居して2ヶ月後、近所の方に言われました。「あのお部屋、前に人が亡くなったのよ」。仲介した会社に問い合わせると、返ってきた答えはこうでした。「売主さんから聞いていませんでした」。
貸鯉さんは、内見のときに一言だけ聞きました。
「この部屋で、過去に人が亡くなったことはありますか?」
担当者は「売主さんに確認します」と言って持ち帰り、後日こう回答しました。10年前に、前の所有者のお父様が病気で亡くなっている、と。貸鯉さんは「それなら気にしません」と言って、そのまま購入しています。
同じ物件でも、【一言聞いたかどうか】で情報の出方が変わります。
そして大事なのは、雑井さんの担当者が【嘘をついたわけではない】ということです。

①「売買は無期限」という説明は、正確ではありません
まず、よく見かける情報について前提を整理しておきましょう。
「賃貸は3年で告知義務がなくなる。売買は無期限にある」
前半は、おおむね合っています。後半が違います。
国土交通省のガイドライン(令和3年10月)を読むと、こうなっています。
【賃貸について「概ね3年」という目安が示されている。売買については、期間の目安が示されていない】
【示されていない】と【無期限にある】は、まったく違う意味です。
では売買はどう判断されるのか。ガイドライン自身がこう書いています。
【いわゆる心理的瑕疵は時間の経過とともに希釈され、やがて消滅するとの裁判例もある】
そして裁判では、こうした点を総合して判断されているとも書かれています。
- ◯ 取引目的
- ◯ 事案の内容
- ◯ 事案発生からの時間の経過
- ◯ 近隣住民の周知の程度
つまり売買は【期間で機械的に決まらない】ということです。永久に消えないのではなく、【線引きが示されていないので、個別に判断される】。
ここを「無期限」と覚えてしまうと、売る側も買う側も判断を誤ります。

②そもそも、自然死は告知の対象外です
もう1つ、誤解が多いところです。
【老衰や病気で亡くなった場合は、原則として告げなくてよい】
これはガイドラインの一番はじめに書いてあります。賃貸でも売買でも同じです。
理由もはっきり書かれています。人が住んでいる家でそういう死が起きるのは当然に予想されることであり、統計でも自宅での死因の9割が老衰や病死だから、というものです。
階段から落ちた、お風呂で溺れた、といった日常生活の中での不慮の死も同じ扱いです。
ただし例外があります。
【特殊清掃や大規模リフォームが行われた場合は、自然死でも告知事項に該当します】
長く発見されなかった場合ですね。ここは分けて考えてください。
・・・つまり「人が亡くなった=事故物件」ではないんです。世の中のイメージと、制度の線引きはかなり違います。

③不動産屋の調査は、売主さんへの確認で終わります
ここからが本題です。
私を含めて、不動産屋がどうやって事故物件を把握しているか。答えは拍子抜けするほど単純です。
【売主さんに紙を書いてもらっているだけです】
先に誤解のないようにお伝えしておきますね。私たちに調査義務がないわけではありません。ガイドラインも、宅建業者は販売活動・媒介活動に伴う通常の情報収集を行うべき一般的な義務を負っている、とはっきり書いています。
そのうえで、こう続きます。
【人の死に関する事案が生じたことを疑わせる特段の事情がないのであれば、自発的に調査すべき義務までは宅地建物取引業法上は認められない】
読み飛ばしそうになりますが、【自発的に】がポイントです。人の死について【自分から探しに行く】ところまでは求められていない、ということです。
そしてもう1つ大事なのが【疑わせる特段の事情がないのであれば】という条件。売主さんの話に不自然な点があるなど、おかしいと感じる材料があれば、そこは調べる必要が出てきます。無条件で免除されているわけではありません。
そのうえで、こうも書かれています。
【売主に告知書(物件状況等報告書)への記載を求めることにより、調査義務を果たしたものとする】
つまり、あの紙を1枚書いてもらえば、私たちの調査は終わりなんです。
さらに続きがあります。
【告知書に記載されなかった事案の存在が後日に判明しても、重大な過失がない限り、調査は適正になされたものとする】
ここまで読んでいただければ、雑井さんの件がお分かりだと思います。
売主さんが書かなかった。だから担当者は知らなかった。そして担当者に落ち度はない。
・・・正直に申し上げます。【これは業界にとって、とても都合のいい仕組みです】
念のため補足しますが、ガイドラインは近隣への聞き込みやインターネットの調査も義務ではないとしています。これには理由があって、亡くなった方やご遺族の名誉や生活の平穏に配慮する必要があるからです。むやみに嗅ぎ回るべきではない、という考え方自体は私も正しいと思います。
ただ、買う側からすると、この構造は知っておかないと危ないんです。

④だから「聞いたかどうか」で、結果が変わります
では買う側はどうすればいいのか。
答えは、同じガイドラインの中にあります。
【期間や死因に関わらず、買主・借主から事案の有無について問われた場合には、告げる必要がある】
もう一度読んでください。【期間や死因に関わらず】です。
3年経っていようが、20年経っていようが、自然死だろうが。【聞かれたら、調べて答えなければならない】と国が書いているんです。
ここが今日いちばんお伝えしたいところです。
【聞かなければ、告知書に書いてあることしか出てきません。聞けば、確認しに行く義務が発生します】
貸鯉さんがやったのは、これだけでした。一言聞いただけです。
そして雑井さんは、聞かなかった。それだけの差でした。
⑤聞いても「分かりません」と返ってくることがあります
ここは正直にお伝えしておきます。
聞けば必ず答えが出るわけではありません。ガイドラインにはこう書かれています。
【売主・貸主・管理業者から不明であると回答された場合、あるいは無回答の場合には、その旨を告げれば足りる】
つまり「分かりません」という回答も、制度上は正解なんです。
相続で取得した物件などでは、売主さん自身が本当に知らないことがあります。これは責めても仕方がありません。
ただ、【聞いた事実は残ります】。
そして「分かりません」という回答が返ってきたということ自体が、判断材料になります。分からない物件だと分かったうえで買うのか、やめるのか。それは決められます。
何も聞かずに「たぶん大丈夫だろう」で進むのとは、まったく違います。

⑥どこまで教えてもらえるのか
最後に、実際に告知される場合の中身をお話しします。
告げられるのは、この4つです。
- ◯ 事案の発生時期(特殊清掃が行われた場合は発覚時期)
- ◯ 場所
- ◯ 死因(自然死・他殺・自死・事故死などの別)
- ◯ 特殊清掃等が行われたかどうか
逆に、これらは告げる必要がないとされています。
【氏名、年齢、住所、家族構成、具体的な死の態様、発見状況】
ここは亡くなった方とご遺族への配慮です。「どんなふうに見つかったのか」まで聞き出そうとする方がまれにいますが、そこは教えてもらえませんし、私も言いません。
知りたい気持ちは分かります。ただ、判断に必要な情報は上の4つで足りるはずです。
なお、告知は【書面ですることが望ましい】ともされています。口頭で聞いて終わりにせず、書いてもらってください。
〜ワンポイント・アドバイス〜
今日の一点は、これです。
【内見のときに「この部屋で、過去に人が亡くなったことはありますか」と聞く】
言いにくいですよね。私も分かります。でも、これだけです。
なぜこれが効くのか。理由は3つあります。
1つ目。【聞いた瞬間、確認する義務が発生します】。担当者の気分の問題ではなく、国がそう書いています。だから遠慮は要りません。
2つ目。【言い方を選ばなくて大丈夫です】。回りくどく聞く必要はありません。むしろストレートに聞いたほうが、相手も「調べます」と答えやすいです。
3つ目。【担当者の反応が見られます】。すぐ「確認します」と言う人か、「そういうのは大丈夫ですよ」で流す人か。ここは前回までの記事と同じ見方が使えます。
そして、返ってきた答えは【書面でもらってください】。「〇〇と確認しました」の一行で構いません。
・・・最後に、売主さんで読んでくださっている方へ。
隠したくなる気持ちは分かります。でも、告知書に書かなかった事実が後から出てくると、責任を問われるのは売主さんご自身です。不動産屋は守られる仕組みになっていますが、売主さんは守られません。
そして実務の感覚として、【正直に書いた物件のほうが、話が早くまとまります】。買主さんが不安なのは事実そのものより、隠されていたことなんです。

まとめ:事故物件について確認したいことリスト
- ☐ 「人が亡くなった=事故物件」ではないと知っている
- ☐ 自然死・日常生活の不慮の死は原則告知不要だと知っている
- ☐ ただし特殊清掃が入った場合は別扱いだと知っている
- ☐ 賃貸の「3年」は売買には適用されないと知っている
- ☐ 売買は期間ではなく個別に判断されると知っている
- ☐ 不動産屋が人の死を自分から探しに行く義務はないと知っている
- ☐ 内見のときに自分の口で聞いた
- ☐ 「分かりません」という回答もありうると知っている
- ☐ 回答を書面でもらった
最後に、もう一度だけ。
【聞かなければ出てこない。聞けば、答える義務が生まれる】
次回予告
さて、次回は【聞いても教えてもらえないもの】の話をします。
今日の事故物件は、聞けば答えてもらえました。国がそう決めているからです。
ところが不動産の世界には、【どれだけ聞いても、絶対に理由を教えてもらえないもの】があります。
住宅ローンの審査です。
落ちたとき、銀行は理由を教えてくれません。「総合的な判断です」で終わります。担当者の私に聞いても、教えてもらえません。
でも、理由が分からなければ次の手が打てませんよね。
そこで次回は【住宅ローンの審査に落ちた理由は、なぜ教えてもらえないのか|次にやるべきこと】をお届けします。
なぜ教えないのか、そして教えてもらえなくても何が推測できるのか。現場で見てきたことをお話しします。お楽しみに!
最後に
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
事故物件について「これって聞いてもいいの?」と迷っていることがあれば、ぜひコメント欄で気軽に教えてください!
そして、実際に聞いたことがある先輩方!どんな聞き方をして、どんな答えが返ってきたか、後輩のみなさんに是非教えてください✨️ やっぱり実体験が一番ですよね!
物件選びで判断に迷ったときは、信頼できるお近くの不動産屋さんに相談してみてください。見つけ方は、このブログを読んでくれている皆さんなら知っていますよね!
一緒に、後悔しない不動産取引を目指しましょう!
不動産売買仲介歴12年。「キレイごとなし、業界の本音」をコンセプトに情報発信中。



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