旗竿地は買ってはいけない?|後悔する人としない人の、たった1つの分かれ目

物件選びのコツ

みなさんこんにちは!本音みなとです!

今日も不動産の本音をお伝えしていきます。今回のテーマは「旗竿地」。

もちろん今日も、皆さんへの営業活動は一切しません笑

それでは行きましょう!

「旗竿地って、やっぱりやめたほうがいいんでしょうか?」

道路から細い通路がのびて、その奥に家が建っている土地。相場より安いので、候補に入れる方はとても多いです。

そして検索すると、こう出てきます。日当たりが悪い、駐車しにくい、建築費が高い、防犯が不安、売りにくい。

・・・全部そのとおりです。なので今日はその話をしません(笑)。

12年見てきて思うのは、こうです。

【旗竿地で後悔するかどうかは、その土地の良し悪しでは決まりません】

日当たりが悪くても満足している方はいますし、条件が良くても後悔している方がいます。

分かれ目は、たった1つです。

【買う前に、通路を自分で測ったかどうか】

拍子抜けしましたか? でも本当にここなんです。今日はその理由をお話しします。

今回も貸鯉さんと雑井さんの例を見てみましょう!

雑井さんは「間口2m」と書かれた旗竿地を購入しました。相場より安く、資料にもそう書いてあったので、そのまま話を進めたそうです。ところが数年後、建て替えを考えて相談したところ、こう言われました。通路の途中に隣家のブロック塀が出ていて、そこだけ実測1.9mしかない。だから建て替えはできない、と。売却も検討しましたが、次の買主さんが住宅ローンを使うことができず、買える人が極端に少なくなってしまい価格は大きく下がりました。

貸鯉さんは、同じような旗竿地を見に行ったときメジャーを持っていきました。通路を端から端まで歩いて、いちばん狭いところを測ったそうです。2.4mありました。そのうえで市役所の建築指導課に行き、2つだけ質問しています。「3階建ては建てられますか」「この場所に条例の制限はありますか」。問題なしと分かってから、購入しました。

同じ「安い旗竿地」でも、【メジャー1本と、役所での5分】でここまで変わります。

①測る場所は1か所だけです。いちばん狭いところ

結論から言います。

【通路のいちばん狭いところが2m未満なら、その土地には家が建ちません】

建築基準法43条で、都市計画区域内の敷地は道路に2m以上接していなければならないと決まっています。旗竿地の場合、道路に接しているのは通路の入口ですが、話はそこで終わりません。

ある自治体の建築指導課が公開している資料には、こう書かれています。

【路地状部分で2m未満となる箇所がある場合は、接道は認められません】

つまり【入口が2mあるかどうか】ではなく、【全区間で2mを下回らないか】なんです。

ここが、実務でいちばん事故が起きるところです。理由は簡単で、通路の途中には物があるからです。

直径2mの大きなボールをイメージしてください。そのボールが道路から奥の敷地まで転がしてみてください。途中に1.9mの場所があったら、ボールはそこで止まってしまいますよね。この通路では建物が建てられないんです・・・

  • ◯ 隣家のブロック塀が出っ張っている
  • ◯ 電柱や支線がある
  • ◯ 側溝のフタが敷地側に入り込んでいる
  • ◯ 途中でゆるく曲がっていて、内側が狭い

雑井さんはお隣のブロック塀でした。資料の「間口2m」は入口の数字で、嘘ではなかったんです。

そして、ここが怖いところなのですが。

【今その土地に家が建っていても、建て替えできるとは限りません】

昔は建てられた、あるいは当時の基準では適法だった、というだけのことがあります。今建っている家は、建て替えの保証にはなりません。

だから測ってください。メジャーで、いちばん狭いところを。

②2mあっても安心できません。上乗せがあります

ここからは、特に注意が必要です!

2mは【全国共通の最低ライン】です。ところが、そこに上乗せをしている自治体があります。

知っておいてほしいのが、この2つ。

【3階建てにすると、通路に4mの幅を求められることがあります】

3階建て以上の建物には、消防が入るための非常用進入口などが必要になります(建築基準法施行令126条の6)。その関係で、通路部分にも4m以上の幅を求める自治体があります。いくつかの条件を全部満たせば4m以下でも認められますが、逆に言えば【条件を外すと、2mでは3階が建たない】ということです。

土地が狭いから3階建てで、と考えている方は、ここを必ず先に確認してください。順番が逆になると、土地を買ってから間取りを削ることになります。

そしてもう1つ。

【市街化調整区域では、3mや6mの制限がかかることがあります】

こちらは建築基準法ではなく都市計画法のお話です。地域や用途によって変わります。

ほかにも、路地状部分の長さが一定を超えると必要な幅が増える、という条例を持つ自治体があります。長屋や共同住宅、延べ面積の大きい建物になると、さらに厳しくなります。

・・・ここまで読んで、「自分の街はどうなんだ」と思いましたよね。

ご安心ください!調べる方法をお伝えします。

③自分の街のルールは、5分で分かります

方法は2つです。

1つ目。【路地状敷地】【自治体名】を入れて検索してください。

「路地状敷地」というのが、旗竿地の役所での呼び名です。多くの自治体が、図解入りのPDFを公開しています。いつも私が確認する資料も、そうやって出てきたものです。

「旗竿地」で検索しても行政の資料は出てきません。役所の言葉で検索する。これ大事ですよ笑

2つ目。【建築指導課に電話する】

住所を伝えて、こう聞いてください。

  • ◯ 「この土地で、2階建ての専用住宅は建てられますか」
  • ◯ 「3階建てにする場合、通路の幅の条件はありますか」
  • ◯ 「市街化調整区域や、条例の制限はかかりますか」

役所は、買う前の人にも普通に答えてくれます。契約前でも、誰の許可も要りません。

【ここを不動産屋に任せきりにしないでください】

もちろん調べるのは私たち不動産屋の仕事です。ただ、自分で1回電話しておくと、担当者の説明が正しいかどうかが分かります。結局それがいちばん安全です。

④「坪単価が安い」の、本当の意味

もう1つ、あまり語られない話をします。

旗竿地が安い理由を、皆さんこう説明されていませんか。「使いにくいから」「人気がないから」と。

それも合っていますが、もっと単純な理由があります。

【竿の部分には、家が建ちません。でも土地の面積には入っています】

法律上、通路部分も敷地面積に算入されます(建築基準法施行令2条)。建ぺい率や容積率を計算するときの分母になるので、これはむしろ有利に働くこともあります。

ただ、買う側の実感としてはこうです。

たとえば40坪の旗竿地で、竿が8坪あったとします。土地は40坪ぶんの値段です。でも家を建てられるのは32坪の部分だけ。

【坪単価は、竿を含めた数字で計算されています】

だから安く見えるのは当たり前なんです。安いのではなく、【使える面積で割り直すと、周りとそれほど変わらない】ことがあります。

ここを分かったうえで買う方は、後悔していません。「安いから」だけで決めた方が、あとで「思ったより狭い」と言われます。

⑤工事のお金と、売るときの話

残り2つ、短くお話しします。

まず工事費です。通路が狭いと、こうなります。

  • ◯ 重機やミキサー車が入らず、手作業や小運搬が増える
  • ◯ 資材を人力で運ぶぶん、人件費が乗る
  • ◯ 給排水やガスの引き込みが長くなる
  • ◯ 解体のときも同じ理由で高くなる

金額は現場ごとに違うので、ここで相場を書くのはやめておきます。ただ、【土地が安かったぶんが工事費で消えること】は、普通にあります。だから土地の値段だけで比べないでください。

そしてもう1つが、売却するときです。

【旗竿地は、買える人が限られます】

これは価格の問題ではなく、買主側の事情です。3階建てを建てたい人、大きな車を停めたい人、日当たりを最優先する人は、最初から候補から外します。

つまり売り出しても、反応する人の数がそもそも少ない。売れないわけではありませんが、【時間がかかる前提】で考えておく必要があります。

売り出し価格の決め方は【高く売るための売り出し価格の決め方】(VOL.24)に書いていますので、あわせてどうぞ。

⑥では、後悔しない人は何をしているのか

まとめに入る前に、分かれ目をはっきりさせておきます。

12年見てきて、旗竿地で後悔していない方には共通点があります。日当たりでも、価格でも、方角でもありません。

【買う前に、自分の目で確かめている】

これだけです。具体的にはこの3つをやっています。

  • ◯ 通路をメジャーで測った(いちばん狭いところを)
  • ◯ 役所に自分で確認した(3階建て・条例・調整区域)
  • ◯ 建てられる面積で坪単価を計算し直した

逆に後悔している方は、資料の数字をそのまま信じています。雑井さんの「間口2m」がまさにそれでした。

【旗竿地は、悪い土地ではありません。確認が要る土地です】

そして確認さえすれば、静かで、プライバシーがあって、価格が抑えられた、いい土地になります。実際そう言って暮らしている方をたくさん見ています。

〜ワンポイント・アドバイス〜

今日の一点は、これです。

【内見にメジャーを持っていく】

たったこれだけです。

メジャーは1,000円もしません。部屋の大きさ、買う家具の大きさ、家電は入るか。色々な場面で活躍するので持っておくと便利です!割と良い投資ですよ笑

なぜこれが効くのか。理由は3つあります。

1つ目。【資料の数字は、入口の数字です】。悪意があるわけではなく、そういう書き方が普通なんです。だから途中は自分で測るしかありません。

2つ目。【測っていると、担当者が本気になります】。「お客さん、詳しいですね」となって、そこから先の説明が変わります。これは本当です(担当者選びの話にも通じます)。

3つ目。【2.0mギリギリかどうかが分かります】。2.5mあれば安心、2.0mちょうどなら要注意。この差は、あとで効いてきます。

そして、測ってみて【2mを下回った場合】

その土地は、いったん候補から外して構いません。安さには理由があります。ただし、そこを承知のうえで【建て替えない前提】で買う方もいます。それが悪いわけではありません。大事なのは、知らずに買わないことです。

まとめ:旗竿地を見に行く前のチェックリスト

  • ☐ メジャーを持っていく
  • ☐ 通路のいちばん狭いところを測った
  • ☐ 途中の塀・電柱・側溝を確認した
  • ☐ 「間口2m」は入口の数字だと知っている
  • ☐ 3階建てを考えているなら、通路幅の条件を役所に聞いた
  • ☐ 市街化調整区域かどうかを確認した
  • ☐ 「路地状敷地+自治体名」で公開資料を見た
  • ☐ 竿を除いた面積で坪単価を計算し直した
  • ☐ 工事費が割高になることを見込んだ
  • ☐ 売るときに時間がかかる前提で考えた

最後に、もう一度だけ。

【旗竿地で後悔する人は、土地選びを間違えたのではありません。確認を省いただけです】

次回予告

さて、次回は【見ても分からないもの】の話をします。

今日お話しした旗竿地は、行けば分かります。測れば分かります。役所に聞けば分かります。

でも、いくら現地に行っても、絶対に分からないことがあります。

【その部屋で、過去に何があったか】

いわゆる事故物件です。どこまで告知しなければいけないのか。何年経てば言わなくていいのか。そもそも不動産屋は正直に言うのか。

国が作ったガイドラインがあって、3年経過したら言わなくて良いとされています。しかし、これは賃貸物件のお話で、売買物件には期間が示されていません。売買物件の方が少し複雑なんです。知らないと、聞くべきことも聞けません。

そこで次回は【事故物件はどこまで教えてもらえるのか|告知義務の線引きを本音で話します】をお届けします。

私が現場でどう伝えているかまで、包み隠さずお話しするつもりです。お楽しみに!

最後に

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

旗竿地について「これって大丈夫なの?」と迷っていることがあれば、ぜひコメント欄で気軽に教えてください!

そして、すでに旗竿地に住んでいる先輩方!住んでみて良かったこと、困ったことを、後輩のみなさんに是非教えてください✨️ やっぱり実体験が一番ですよね!

土地選びで判断に迷ったときは、信頼できるお近くの不動産屋さんに相談してみてください。見つけ方は、このブログを読んでくれている皆さんなら知っていますよね!

一緒に、後悔しない不動産取引を目指しましょう!

不動産売買仲介歴12年。「キレイごとなし、業界の本音」をコンセプトに情報発信中。

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