みなさんこんにちは!本音みなとです!
今日も不動産の本音をお伝えしていきます。今回のテーマは「中古マンションの管理」。
もちろん今日も、皆さんへの営業活動は一切しません笑
それでは行きましょう!
「部屋はすごく気に入ったんです。でも、このマンション自体は大丈夫なのかな・・・」
内見の帰り道に、こう言われることがあります。
不安の正体は、たぶんこれです。部屋は自分の目で見られるのに、【マンション全体】のことは何も分からない。
前回、建物状況調査のお話をしました。実はあれ、マンションだと少し勝手が違います。共用部分を調べるには管理組合の了承が要りますし、そもそもマンションで本当に怖いのは、部屋そのものではないことが多いんです。
今回お伝えする内容は、これです。
【中古マンションで見るべき書類には、見られる「順番」があります】
そして、順番を間違えると——正確には、順番を知らないまま進むと——【大事な情報が出てくる頃には、もう引き返せなくなっています】。
今日はそこを、現場にいる側からお話しします。
今回も貸鯉さんと雑井さんの例を見てみましょう!
雑井さんは築18年のマンションを内見して、その日のうちに買付証明書を提出しました。部屋の広さも日当たりも申し分なかったからです。契約の3日前、担当者から書類が届きました。そこには【翌年度から修繕積立金を1.8倍に値上げする】と、すでに総会で決議済みだと書かれていました。月々の負担は想定より1万円以上増えます。でも手付金の話まで進んでいて、雑井さんは「今さら言えなくて」そのまま契約してしまいました。
貸鯉さんは、買付証明書を提出する前に一言だけ頼みました。
「総会の議事録、直近3期分を見せてもらえませんか?」
出てきた議事録には、滞納者への対応が毎回議題に上がっていて、大規模修繕が2度先送りされていました。貸鯉さんは申込みすることを止めて、次の物件を探しています。
同じ「気に入った部屋」でも、【見る順番を変えただけ】でここまで違います。

①結論:情報は3つの階層に分かれています
先に全体像をお見せします。マンションの管理情報は、【手に入るタイミングと難易度で3層】に分かれます。
- ◯ 【第1層】自分で今すぐ見られる(共用部・ネットの公開情報)
- ◯ 【第2層】頼めば見せてもらえる(総会議事録・長期修繕計画)
- ◯ 【第3層】契約直前にしか出てこない(重要事項調査報告書)
問題は、【いちばん決定的な情報が第3層にある】ことです。
そして第3層が出てくるのは、売買条件がまとまっていて、契約日が決まったあとであることが多いです。雑井さんがそうでした。
だから私はこう考えています。
【第3層を待たずに、第1層と第2層でどこまで分かるかが勝負です】
順番に見ていきましょう。

②【第1層】内見の日、私が部屋より先に見ているところ
内見で私が部屋に入る前に見ているのは、こういうところです。全部タダで、誰でも見られます。
- ◯ 【ゴミ置き場】(分別が守られているか、掲示物が最新か)
- ◯ 【自転車置き場】(放置自転車にシールが貼られ、撤去されているか)
- ◯ 【掲示板】(総会の案内が貼ってあるか、日付は最近か)
- ◯ 【共用廊下と階段】(私物が置かれていないか)
- ◯ 【エントランスの郵便受け】(チラシが溢れている部屋がどれくらいあるか)
なぜここを見るのか。理由は単純です。
【これらは全部、管理組合が「機能しているか」の表れだからです】
放置自転車を撤去するには、告知して、期限を切って、処分費を出す必要があります。誰かが理事会でそれを提案して、決議しないと動きません。【つまり撤去されている駐輪場は、話し合いができている組合の証拠】なんです。
逆に言うと、掲示板の紙が半年前のまま黄ばんでいるマンションは、たぶん総会もうまく回っていません。
建物のきれいさとは別物です。築古でもきちんとしているところはありますし、築浅でも荒れているところがあります(笑)。
③【第1層】管理を「採点」している制度が2つあります
これはあまり知られていないのですが、2022年4月から、マンションの管理を第三者が評価する制度が2つ動いています。
- ◯ 【マンション管理計画認定制度】(自治体が認定する。長期修繕計画の期間や修繕積立金の設定などが基準)
- ◯ 【マンション管理適正評価制度】(マンション管理業協会が運営。管理体制・収支・建築設備などを☆0〜☆5の6段階で評価)
どちらも【登録しているマンションだけ】が対象なので、載っていない=ダメという話ではありません。そこは誤解しないでください。
ただ、こう考えることはできます。
【認定や評価を受けているマンションは、少なくとも「管理に手をかける意思がある」組合です】
申請には手間もお金もかかります。それでもやっているということ自体が、ひとつの情報です。

④【第2層】議事録と長期修繕計画は、頼めば見られます
ここからは頼まないと出てきません。でも【買付を提出する前でも頼めます】。ここが大事です。
担当者にこう伝えてください。「総会議事録を直近3期分と、長期修繕計画をお願いします」
議事録で見るのは、書かれている内容よりも【繰り返し出てくる議題】です。
- ◯ 滞納者への対応が毎回議題になっていないか
- ◯ 大規模修繕が先送りされていないか
- ◯ 理事のなり手がいない、という話が出ていないか
- ◯ 値上げの議案が否決されていないか
最後のものは、特に注意して見ています。【値上げが必要だと分かっているのに決められない組合】は、いちばん厳しい状態です。
長期修繕計画のほうは、国が基準を出しています。
【計画期間は30年以上で、大規模修繕工事が2回含まれる期間以上】
これが国土交通省の長期修繕計画作成ガイドラインの考え方です。そして【5年程度ごとに見直す】ことになっています。
なので、まず日付を見てください。最終更新が10年前のままなら、その計画はもう現実と合っていません。
・・・とはいえ、これはよくあります。令和5年度のマンション総合調査では、5年ごとに見直しているのは63%。【約37%は定期的な見直しをしていません】。

⑤【第2層】数字の判断ラインは、国が示しています
「じゃあ、いくらなら適正なの?」
皆さん!ここが一番気になりますよね!ここは正直にお伝えします。
【積立「残高」がいくらあればOK、という公的な基準はありません】
マンションごとに必要な工事も時期も違うので、当然といえば当然です。ネットで「残高○○万円が目安」と書いてあったら、根拠をしっかり確認してください。
ただし、【月々の積立「額」のほうには目安があります】。
国土交通省の「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」(令和6年6月改訂)が、専有面積1㎡あたりの月額で示しています。たとえば20階未満で延床5,000㎡未満なら平均335円/㎡・月、20階以上なら平均338円/㎡・月といった具合です。70㎡なら月2万円台になります。
参考までに、令和5年度の調査では【月/戸あたりの修繕積立金の平均は13,054円】でした。
そしてもうひとつ!
【段階増額なら、初期額は基準額の0.6倍以上、最終額は1.1倍以内】
同じガイドラインが示している、値上げ幅の考え方です。均等に積み立てた場合の金額を基準額として、そこから下に0.6倍、上に1.1倍。この枠に収まっていれば、極端な値上げにはなりにくい設計だということです。
逆に言えば、【今が安すぎるマンションは、その分をあとで払います】。
ただし、ここは必ず添えておきます。ガイドライン自身がこう書いています。
【目安の範囲に収まっていないからといって、直ちに不適切であると判断される訳ではありません】
数字は入口です。判断そのものではありません。

⑥【第3層】契約直前にしか出てこない書類の正体
さて、本題です。
マンションについて書かれている記事は数多くありますが、こう書いてあることがあります。「重要事項調査報告書を確認しましょう」。
正しいと思います。確かに最も確実な情報源です。積立金の残高、滞納の総額、値上げの予定、大規模修繕の履歴。全部載っています。
でも、ほとんどの記事が書いていないことがあります。
【あの書類、買主が自分では取れません】
実務はこうなっています。
- ◯ 発行するのは【管理会社】
- ◯ 依頼するのは【仲介する不動産会社】(買主本人からは受けてもらえません)
- ◯ 【有料】です。管理会社が決めるので幅がありますが、1万5千円前後が多い印象です
- ◯ 発行まで【数日から1週間程度】かかります
ここまで読んでいただければ、もうお分かりだと思います。
【買付証明書が提出される前に、1万5千円払って1週間待つ会社は、まずありません】
そしてこれは、前回のインスペクションとまったく同じ構造です。手間とお金がかかるのに、それで報酬が増えるわけではない。だから話が固まるまで動かない。
正直に申し上げます。【これは不動産屋の都合ですね】。
だから第1層と第2層が要るんです。第3層を待っていると、雑井さんのように、書類が届いたときにはもう引き返しにくくなっています。
⑦売主さんの滞納は、買主が引き継ぎます
もうひとつだけ、知っておいてほしいことがあります。
【前の所有者が滞納していた管理費・修繕積立金は、買った人が支払う義務を負います】
区分所有法8条です。特定承継人——つまり買主に対しても、管理組合は請求できると定められています。
「前の人の未払いなのに?」と思いますよね。でも法律がそうなっています。管理組合からすれば、部屋を売って逃げられたら回収できなくなってしまうからです。
実務では、決済のときに売主さんの滞納分を精算します。だから普通は問題になりません。
問題になるのは、【誰も滞納に気づかないまま進んだとき】です。そしてそれが分かるのは、多くの場合、重要事項調査報告書が出てきたときです。
・・・また第3層ですね。
〜ワンポイント・アドバイス〜
今日の一点は、これです。
【買付証明書の提出前に「総会議事録を3期分ください」と言う】
たったこれだけです。
なぜこれが効くのか。理由は3つあります。
1つ目。【タダで、すぐ出ます】。重要事項調査報告書と違って、管理会社への発注も費用も要りません。売主さんか管理組合が持っているものを見せてもらうだけです。
2つ目。議事録には【修正が入りません】。パンフレットや広告と違って、そのときの議論がそのまま残っています。滞納も、先送りも、否決も。
3つ目。【担当者の反応が見られます】。すぐ動いてくれる人か、「契約前にお渡しします」で流す人か。ここは前回の記事と同じ見方が使えます。
そして、断られたときは理由を聞いてください。「売主さんが持っていない」なら仕方ありません(実際よくあります)。「そういうものなので」なら、それは理由になっていません。
・・・もし今、すでに買付証明書を提出してしまった方が読んでいたら。
まだ間に合います。【重要事項調査報告書が出てきた時点で、内容に納得できなければ契約しない】という判断はできます。手付を払う前なら、引き返す道は残っています。そこは遠慮しないでください。

まとめ:見る順番のチェックリスト
- ☐ 内見のとき、部屋より先にゴミ置き場と駐輪場と掲示板を見た
- ☐ 掲示板の日付が最近かを確認した
- ☐ 管理計画認定・管理適正評価を受けているか調べた
- ☐ 買付証明書を提出する前に総会議事録を3期分もらった
- ☐ 議事録で滞納・先送り・なり手不足・否決を確認した
- ☐ 長期修繕計画の最終更新日を見た
- ☐ 「残高いくらが目安」という数字には公的基準がないと知った
- ☐ 重要事項調査報告書は契約直前にしか出てこないと知っておいた
- ☐ 売主の滞納は買主が引き継ぐと知った
最後に、もう一度だけ。
【部屋は変えられます。管理は変えられません】
リフォームでいくらでも直せるのが部屋です。でも管理組合は、買ったあとに自分が入って、何年もかけて変えていくしかありません。
だから私は、部屋より先に管理を見ています。
次回予告
さて、次回は場所を変えて【戸建て】の話をします。
マンションには管理組合がありました。良くも悪くも、みんなで決める仕組みがある。では戸建てはどうかというと、【全部が自分の判断】です。
その戸建てで、私がいちばん相談を受けるのが【旗竿地】です。
道路から細い通路がのびて、奥に家が建っているあの形。価格が安いので候補に入れる方は多いのですが、後悔する人と、まったく後悔しない人にはっきり分かれます。
そこで次回は【旗竿地は買ってはいけない?|後悔する人としない人の分かれ目】をお届けします。
駐車のこと、工事費のこと、そして売るときのこと。安さの理由を全部お話しします。お楽しみに!
最後に
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
マンションの管理について「これって普通なの?」と思っていることや、内見で気になったことがあれば、ぜひコメント欄で気軽に教えてください!
そして、すでに中古マンションを購入された先輩方!買う前に見ておけばよかったと思ったことを、後輩のみなさんに是非教えてください✨️ やっぱり実体験が一番ですよね!
物件選びで判断に迷ったときは、信頼できるお近くの不動産屋さんに相談してみてください。見つけ方は、このブログを読んでくれている皆さんなら知っていますよね!
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