変動金利と固定金利|選ぶ前に「上がった日の返済額」を見てください

住宅ローンとお金

みなさんこんにちは!本音みなとです!

今日も不動産の本音をお伝えしていきます。今回のテーマは「変動金利と固定金利」。

もちろん今日も、皆さんへの営業活動は一切しません笑

それでは行きましょう!

住宅ローンを組むとき、最初にぶつかる大きな分かれ道が【変動金利か、固定金利か】。

ネットで調べると、たいてい「どちらにもメリットとデメリットがあります」で終わっています。正しいです。でも、それでは決められません。

だから今日は、結論の出し方を変えます。

私のお客様では、固定金利が3%台後半まで上がった今でも、【変動を選ぶ方がほとんど】です。

理由は、ほぼひとつ。

【固定に比べて、変動のほうが安く見えるから】

今日は、この「見える」の中身を、数字でほどいていきます。

同じ変動を選んだ二人が、5年後に分かれた話

今回もいつもの2人の様子を見ていきましょう!

【雑井さん】と【貸鯉さん】は、同じ2,500万円を、同じ変動金利1.5%・35年で借りました。毎月の返済は約76,500円。固定にした場合より、月3万円以上安い計算でした。

二人とも「変動のほうが安いから」と決めました。ここまでは、まったく同じです。

雑井さんは、ニュースで金利の話が出るたびに落ち着かなくなりました。

「上がったら、どうなるんだろう・・・」

銀行に聞いたこともありません。聞き方も分かりませんでした。そして5年がたって、返済額の見直しの通知が届きます。

月の返済額は、約95,700円に増えていました。約1.9万円の増加です。

家計の中に、その1.9万円の居場所は用意されていませんでした・・・

【貸鯉さん】も、同じ通知を受け取りました。

でも貸鯉さんは、契約の前に銀行の窓口でこう聞いていました。

「金利が今のフラット35くらいまで上がったら、毎月いくらになりますか?」

出てきた数字を見て、貸鯉さんは家計に入れておきました。さらに、変動で浮いた月3万円を、生活費に混ぜずに別の口座に積んでいました。

だから、通知が届いても【想定内】。慌てることはありませんでした✨️

二人は、同じものを、同じ金額で借りています。

【違ったのは、上がった日の返済額を、契約の前に数えたかどうか】だけです。

①現実の話:今でも、変動を選ぶ方がほとんどです

変動金利と固定金利の違い

現場の実態からお伝えします。

【私のお客様では、今でも変動金利を選ぶ方がほとんどです】

そして、その理由はいつも同じです。変動のほうが、固定より【安く見える】から。

2,500万円を35年で借りた場合を並べてみます。

  • 変動1.5%・・・毎月 約76,500円/35年の利息 約715万円
  • フラット35(3.830%)・・・毎月 約108,200円/35年の利息 約2,040万円

月に3万円以上、35年で1,300万円以上の差です。これを見て変動を選ぶのは、自然な判断だと思います。

フラット35の金利は、2026年10月資金受取分の【返済期間21年以上35年以下・融資率9割以下の最も多い金利】です。団信込みの金利で、変動1.5%は私の現場での実感です。

参考:フラット35の最新の金利情報(住宅金融支援機構)

②「安く見える」の正体は、比べているものが違うこと

変動金利のメリットとデメリット

ここが今日の一番大事なところです。

この比較は、実は【同じものを比べていません】。

  • 変動の1.5%・・・今日の時点の金利
  • 固定の3.830%・・・35年間ずっと同じ金利で借りる約束をした値段

片方は「今の値段」、もう片方は「35年分を先に確定した値段」です。安く見えて当たり前なんです。

では、変動が本当に得になるのはどんなときか。ざっくり言うと、こうです。

【35年間の金利の平均が、固定の3.83%を下回れば変動が得。上回れば固定が得】

今の1.5%から見ると、平均で2.3ポイント以上、上がり続けるかどうかが分かれ目です。

それを当てられる人は、プロにもいません。私にも当てられません。

だから私は、金利の予想はしません。見るのは、別のものです。

【上がった日の、毎月の返済額】

③2026年に起きたこと:日銀は、もう2回引き上げています

2026年の金利情勢

金利の話は、数字で確認しておきましょう。

日本銀行は、2026年6月16日に、短期金利の誘導目標を【0.75%程度から1.0%程度】へ引き上げました。

7月31日は1.0%程度で据え置きましたが、さらに9月18日には、【1.0%程度から1.25%程度】へ引き上げています(賛成7・反対2)。

参考:日本銀行 金融市場調節方針の変更について(2026年6月16日)/同(2026年9月18日)

この記事を最初に書いたとき、6月の1%は「約31年ぶりの水準」でした。もうその言い方は使えません。わずか3か月で、そこを通り過ぎたからです。

変動金利は、こうした政策金利の動きをきっかけに、銀行が見直します。見直しは【半年に1回】が一般的です。

参考:金利のタイプとは?(住宅金融支援機構・フラット35)

④5年ルール・125%ルールは、「上がらない」制度ではありません

変動金利には、安心材料としてよく挙げられる仕組みがあります。

  • 5年ルール・・・金利は半年ごとに見直されるが、毎月の返済額の見直しは【5年ごと】
  • 125%ルール・・・見直し後の返済額は、変更前の【1.25倍が限度】とされているケースが一般的

「じゃあ、急に返済額が跳ね上がることはないんですね」——そのとおりです。ただし、これは【上がらない】制度ではありません。【上がるのを先送りする】制度です。

ざっくり計算してみます。2,500万円・変動1.5%・35年で借りて、5年後(残高は約2,218万円)に金利が上がっていたとします。

  • 金利2.5%なら・・・月約8.8万円(+約1.1万円)
  • 金利3.5%なら・・・本来は月約10.0万円。ルールで【約9.6万円】に抑えられる
  • 金利3.83%(今のフラット35並み)なら・・・本来は月約10.4万円。ルールで【約9.6万円】に抑えられる

今の返済は約7.7万円です。9.6万円なら、増えるのは約1.9万円。確かに跳ね上がりません。

でも、本来10.4万円払うべきところを9.6万円で済ませた分は、チャラになったわけではありません。【元本の減りが遅くなる】ことで、後ろに回っているだけです。

そして、「未払利息」という言葉

もうひとつ、知っておいてほしい言葉があります。

将来、金利が大幅に上がって、毎月の「利息の支払額」が「返済額」を超えてしまった場合、その超えた分の利息の支払いは繰り延べられます。これを【未払利息】といいます。

参考:金利のタイプとは?(住宅金融支援機構・フラット35)

上の例なら、返済額を据え置いている間に、残高約2,200万円で金利が【約4.1%】を超えると、毎月の利息が返済額を上回ります。

今の水準からは、まだ距離があります。でも、距離があるかどうかと、その仕組みを知っているかどうかは別の話です。

【金利が上がっているのに返済額が変わらない時期は、安心ではなく「元本が減っていない時期」】かもしれません。ここは覚えておいてください。

※数字は2,500万円・変動1.5%・35年の例で、5年後に一括で金利が変わった想定のざっくり計算です。ルールの有無や中身は、銀行・商品によって違います。

⑤金利の相談は、不動産屋には来ません。窓口で聞くことは3つ

ここも本音で書きます。

「金利が上がったらどうなるんですか」という相談は、【金融機関に聞くべき話】です。実際、そういう相談が不動産屋に来ることは、ほとんどありません。

そして、銀行の窓口で変動が勧められる流れも、【私の印象では、今も変わっていません】。

つまり、こうなります。

【お客様は「安く見える変動」を選び、窓口の勧め方も変わらず、金利が上がったときの話は誰とも詰めないまま進む】

だから、これから借りる方にお願いしたいことがあります。窓口で、この3つを聞いてください。

  • 質問① 「5年ルールと125%ルールは、この商品にありますか?」・・・ない商品もあるかもしれません。あるなら、未払利息が出る条件も聞いてください
  • 質問② 「金利が+1%、+2%、フラット35並みになったとき、毎月いくらになりますか?」・・・紙に出してもらってください。口頭では残りません
  • 質問③ 「繰り上げ返済の手数料と最低金額は?」・・・金利が上がったときの逃げ道は、繰り上げ返済です。手数料や条件は、契約前に聞いておく必要があります

頭金で足りなくなるのは「引っ越しと外構」です|繰り上げ返済のリアル

私が答えられるのは、一般論までです。【あなたの返済額】を出せるのは、借りる銀行だけです。

⑥固定が正解、とも言いません

固定金利のメリットとデメリット

誤解されたくないので、はっきり書いておきます。

【私は「固定にしなさい」とは言いません】

固定の3.83%は、35年間の約束です。もし金利があまり上がらなければ、結果として払いすぎになります。毎月の差額3万円は、積み上がれば大きな金額です。

固定を選ぶ人には、ちゃんとした理由があります。

  • 教育費など、これから出費が増える予定がある
  • 家計に余裕がなく、毎月の返済額を確定させたい
  • 金利のことで悩みたくない

どれも正当な理由です。【安心を、お金で買っている】のだと思います。

住宅ローン控除は、年末残高の0.7%が戻る制度です。金利が1.5%でも3.83%でも、戻ってくる0.7%より、借りるコストのほうが大きい状態です。「控除があるから、金利は気にしなくていい」とはなりません。

住宅ローン控除でいくら戻る?仲介のプロが年収別シミュレーションで解説

また、金利タイプとは別に、団信の疾病特約を付けると金利が上乗せされることがあります。

団信で止まるのは「健康診断の再検査」です|住宅ローンの生命保険

⑦結論:選ぶ前に見るのは、「上がった日の返済額」

金利タイプ別の向き不向き

私の本音の結論です。

【変動か固定かを決める前に、「上がった日の月額」を数字にして、払えるか確かめる】

順番の話です。

  • 払える → 変動を選んでもいい。ただし、浮いた月3万円は使わずに積む
  • 払えるか分からない → 固定を選ぶか、借入額を下げる

そして、どちらを選ぶ場合でも、【当てようとしない】ことです。予想は外れます。外れても困らないように、先に数字を出しておく。それだけです。

まとめ:金利タイプ選びのチェックリスト

金利タイプ選びチェックリスト

自分に合う金利タイプを選ぶために、このリストを確認してください!

  • ☐ 変動=今は低いが変わる、固定=高めだが35年一定、と理解した
  • ☐ 「変動1.5%と固定3.83%」は、同じものの比較ではないと知った
  • ☐ 窓口で、金利が上がったときの毎月の返済額を紙に出してもらった
  • ☐ 5年ルール・125%ルールが「先送りの制度」だと知った
  • ☐ 未払利息が出る条件を、銀行に聞いた
  • ☐ 変動を選ぶなら、浮く月3万円を使わずに積む覚悟がある
  • ☐ これから増える支出(教育費など)を見込んだ
  • ☐ 銀行にすすめられるままでなく、自分のタイプで判断した

◆ここでワンポイントアドバイス◆

金利タイプで悩んだら、【「最悪のケースでも払えるか」で考える】のがおすすめです。

変動を選ぶなら「金利が上がったら」、固定を選ぶなら「低金利が続いたら」。どちらの”もしも”なら、自分は受け入れられるか——そこが決め手になります。

そして、変動を選ぶなら、【差額の3万円は、使うお金ではなく積むお金】です。金利が上がらなければ、貯金が残るだけ。上がったら、その貯金があなたを守ります。

ここもちゃんとテストに出ますよ!

◆ちょっとだけ裏話◆

「結局どっちがいいんですか?」と聞かれたら、正直に言います。

私には、当てられません。

当てられるのは、金利の予想ではなく、【上がった日の月額をいくらまで払えるか】を数字にすることだけです。そして、その数字を出してくれるのは、借りる銀行です。

だから私にできるのは、窓口で聞くことを勧めて行動してもらうことだと思っています。この記事の⑤の3つは、そのために書きました。

おわりに

「うちの収入だと、どっちがいいんだろう?」「窓口でこう聞いたらこう言われた」

そんなみなさんの疑問や体験談。コメント欄でお待ちしてます!

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不動産売買仲介歴12年。「キレイごとなし、業界の本音」をコンセプトに情報発信中。

次回予告

金利タイプが決まったら、次に気になるのが「頭金」と「繰り上げ返済」ですよね。

次回は【頭金は多く入れるべき?繰り上げ返済のリアル】を、仲介のプロの目線で本音解説します。

それでは次回もお楽しみに!

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