みなさんこんにちは!本音みなとです!
今日も不動産の本音をお伝えしていきます。今回のテーマは「頭金と繰り上げ返済」。
もちろん今日も、皆さんへの営業活動は一切しません笑
それでは行きましょう!
「頭金は多く入れた方がいいの?」「繰り上げ返済はした方が得なの?」
住宅ローンの話になると、必ず出てくる質問です。
ネットで調べると、たいてい「手元資金を残しましょう」と書いてあります。正しいです。私も同じことを言います。
でも、それだけでは【実際にどこでお金が足りなくなるのか】が分かりません。
12年間、お客様のお金の計画を見てきて、足りなくなる場所はいつも同じでした。
物件のお金ではありません。【引っ越しと外構です】
同じ金額を借りた二人が、入居した月に分かれた話
今回もいつもの2人の様子を見ていきましょう!
【雑井さん】は、2,500万円の中古戸建を買いました。
貯金が500万円ありました。「借金は少ない方がいい」——そう考えて、300万円を頭金に入れました。
毎月の返済は、その分だけ軽くなりました。雑井さんは安心しました。
ところが、引渡しが終わってから請求が並び始めます。
引っ越し代。カーテンと照明。駐車場の土間コンクリートとフェンス。そして、ちょうど重なった子どもの進級の費用。
家電と家具は【我慢すればなんとかなりました】。でも、引っ越しは待ってくれません。外構も、車を停められないままでは暮らせません。
残っていた200万円が、数か月で消えました。
雑井さんは、最後はご両親に頭を下げることになりました・・・
【貸鯉さん】も、同じ2,500万円の家を買いました。
貸鯉さんは、契約の前に私にこう聞きました。
「引っ越しと外構って、いくらくらいかかりますか?」
いい質問です。この2つを先に見積もってから、残ったお金の中で頭金を決めました。結果、頭金は100万円。毎月の返済は雑井さんより少し高くなりました。
でも、入居した月に慌てることはありませんでした。外構も、カーテンも、現金で払えました✨️
二人が借りた金額の差は、200万円です。
【違ったのは、物件の後ろに並んでいる出費を、先に数えたかどうか】だけです。
①現実の話:頭金ゼロで買う人は、珍しくありません

まず、現場の実態からお伝えします。
昔は「物件価格の2割」が頭金の目安と言われました。今は違います。
【フルローン(頭金ゼロ)で買う方は、普通にいます】
それどころか、こういう方が多数です。
物件を買うときには、物件価格のほかに諸費用がかかります。仲介手数料、登記費用、火災保険、固定資産税の精算、ローンの事務手数料など。金額はだいたい【100万〜150万円程度】です。
この諸費用を、物件代と一緒にローンに入れてしまう方が——
【私の体感では、7割くらいいます】
だから正直に言うと、私はお客様に「現金でいくら用意してください」と言うことがほとんどありません。言わなくても手続きが進んでしまうからです。
ここが、今日の話の出発点です。
【現金がなくても家は買えてしまう。だから、入居した後に初めて現金で詰まる】
ひとつ注意があります。事前審査は物件価格だけで出しておいて、本審査で諸費用込みの金額に変える——この流れだと、借入額が増えた分だけ返済比率が変わるので、審査の見方も変わります。金額を変えるなら、早めに伝えてください。
②足りなくなるのは、物件代ではありません
では、どこで足りなくなるのか。私が見てきた順に並べます。
- 引っ越し代・・・待てない。日程が決まっている
- 外構(駐車場の土間・フェンス・門扉)・・・待てない。車を停められない、境界が開いたままになる
- カーテン・照明・・・ないと生活できない。ただし安いものでしのげる
- 家電・家具・・・【我慢できる】。今あるものを使い続けられる
- 子どもの教育費・・・時期を選べない。入学・進級と引渡しが重なることが本当に多い
ここに、はっきりした差があります。
【家電と家具は我慢できます。引っ越しと外構は我慢できません】
ネットの記事には「頭金を入れすぎると家電が買えなくなる」と書いてあります。でも家電は、正直どうにでもなります。古い冷蔵庫をもう2年使えばいいんです。
苦しくなるのは、我慢という選択肢がない出費です。引っ越し業者に「来月まで待ってください」とは言えません。駐車場に車が停められない家には、住めません。
【業界でよく見る話】こうなったとき、どうするか。私が見てきた限り、ご両親に頼る方と、ひたすら我慢する方の二択です。借り直しに走る方はあまりいません(借りたばかりの人に、銀行はそう簡単に追加で貸してくれません)。
つまり、頼れる親がいない方ほど、この設計ミスが重く効きます。
③それでも頭金を入れる人の理由は、ちゃんとあります

ここで誤解されたくないので、はっきり書きます。
【私は「頭金を入れないでください」とは言いません】
頭金を入れる方には、だいたい同じ理由があります。
【毎月の支払い金額を、これ以上増やしたくない】
これは正当な理由です。毎月の返済が1万円変われば、35年間ずっと1万円違います。家計の安心が毎月の数字で決まる方にとって、手元の現金より毎月の返済額のほうが大事——それは本人が決めることです。
だから私は止めません。
ただし、ひとつだけ必ず聞きます。
「引っ越しと外構は、いくらで見ていますか?」
この2つの金額を言える方なら、頭金をいくら入れても大丈夫です。言えない方には、先に見積もりを取ってもらいます。
【ここだけの話】止めないのにはもうひとつ理由があります。私たちが「頭金はもっと少なくていいですよ」と言うと、自分の手数料のために借金を増やさせているように聞こえるんです。だから言い方には気をつけています。私が聞くのは金額だけ。判断はご本人がしてください。
④2026年10月の数字で、もう一度考え直してみます

この記事を最初に書いたときと比べて、金利がすっかり変わりました。数字を入れ替えます。
まず固定金利。フラット35の2026年10月資金受取分は、返済期間21年以上35年以下・融資率9割以下で【最も多い金利が年3.830%】です。
変動金利は金融機関によって違いますが、私が現場で見ている実感では【1.5%くらい】です。
そして住宅ローン控除は、年末残高の【0.7%】が戻る制度です。
参考:住宅借入金等特別控除(中古住宅を取得した場合・国税庁)/住宅ローン減税(国土交通省)
この3つの数字を並べると、答えが変わります。
以前は「ローン金利が0.7%より低いなら、繰り上げ返済せず控除を受けた方が得」でした。金利が控除率より低い、つまり【借りている方が得】という状態だったからです。
今は違います。
【金利1.5% > 控除率0.7%】
借りているコストのほうが、戻ってくる額より大きい。これが今の状態です。
だから、2026年の答えはこうなります。
【控除があるから返さない、という理由は、もう成り立ちません】
控除の中身については、住宅ローン控除の記事で詳しく書いています。中古は控除期間が原則10年(省エネ性能の高い中古は13年に拡充)など、条件が細かく分かれます。
住宅ローン控除でいくら戻る?仲介のプロが年収別シミュレーションで解説
諸費用150万円をローンに入れると、いくら払うのか
さきほどの「諸費用もローンに入れる方が7割」という話に、数字を入れてみます。
150万円を金利1.5%・35年で借りると——
- 毎月の返済に足される額:約4,600円
- 35年で払う利息:約43万円
毎月4,600円なら、たいしたことないように見えます。でも35年で43万円です。登記や保険の代金を、1.4倍にして払っていることになります。
これを知った上で「それでもローンに入れる」なら、正しい判断です。知らないまま7割に入っているなら、一度考えてほしいところです。
固定と変動の差も、はっきり出ています
同じ2,500万円を35年で借りた場合の比較です。
- 変動1.5%なら・・・毎月 約76,500円/35年の利息 約715万円
- フラット35(3.830%)なら・・・毎月 約108,200円/35年の利息 約2,042万円
毎月3万円以上、総額で1,300万円以上の差です。
だから今、多くの方が変動を選びます。ただし変動は【上がる可能性を自分で引き受ける】という契約です。この選び方は別記事にまとめました。
変動金利と固定金利、結局どっちがいい?仲介のプロが本音で解説
⑤正直に言います。繰り上げ返済の相談は、私のところには来ません

ここも本音で書きます。
繰り上げ返済は、お金を借りた【金融機関と直接する手続き】です。不動産屋は関係ありません。
だから12年やっていて、【引渡しの後に繰り上げ返済の相談をしてくるお客様は、ほとんどいません】。私たちの仕事は引渡しで終わり、その後のお金の話は銀行との間で進みます。
でも、これはよく考えると怖い話です。
【多くの人が、誰にも相談しないまま、繰り上げ返済を決めている】
銀行の窓口は、返してもらう側です。親身に相談に乗ってくれる方もいますが、立場は中立ではありません。そして不動産屋のところには、そもそも話が来ません。
だから、まだ家を買う前の今のうちに、判断の軸を持っておいてください。これだけ覚えておけば十分です。
1. 2つのタイプの違い
- 期間短縮型・・・毎月の返済額は変えずに、返済期間を短くする(総利息を減らす効果が大きい)
- 返済額軽減型・・・返済期間は変えずに、毎月の返済額を軽くする(月々の負担を下げる)
【総利息を減らしたいなら期間短縮型、毎月をラクにしたいなら返済額軽減型】です。
2. 手数料と最低金額を、契約前に確認しておく
ここが見落とされがちです。繰り上げ返済は、金融機関によって扱いが違います。
- ネットから手続きすれば手数料が無料の銀行がある
- 窓口で手続きすると手数料がかかる銀行がある
- 「1万円以上」「1円以上」など、1回の最低金額が決まっている
住宅ローンを選ぶときは、金利だけを比べがちです。【繰り上げ返済の手数料と最低金額も、一緒に聞いておいてください】。何度も少額を返していく予定なら、ここで差が出ます。
3. 団信のことも思い出してください
繰り上げ返済で残債が減るということは、万一のときに消えるローンも減るということです。団信は【住宅ローン版の生命保険】ですから、繰り上げ返済は保障を小さくする行為でもあります。
団信で止まるのは「健康診断の再検査」です|住宅ローンの生命保険
⑥結論:手元に残すか、返済に回すか

私の本音の結論です。
【まず「引っ越し・外構・教育費」を数える。残ったお金の中から頭金を決める。繰り上げ返済はその後】
順番の話です。頭金から決めると、後ろに並んでいる出費が見えません。後ろから数えれば、入れられる頭金が自然に決まります。
そして、金利が控除率を上回っている今は、余力ができた時点で繰り上げ返済が効きます。
【今すぐ全部返すことではなく、いつでも動ける余力を持っておくこと】
これが、金利が動く時代の守り方です。
まとめ:頭金・繰り上げ返済チェックリスト

お金の計画を立てる前に、このリストを確認してください!
- ☐ 引っ越し代の見積もりを取った
- ☐ 外構(駐車場の土間・フェンス)の見積もりを取った
- ☐ 入居の時期と、子どもの入学・進級の時期が重なっていないか確認した
- ☐ 諸費用(100万〜150万円程度)を、現金で払うのかローンに入れるのか決めた
- ☐ ローンに入れる場合、35年で払う利息(150万円なら約43万円)を知った上で決めた
- ☐ 頭金を入れる理由が「毎月の返済を増やしたくない」なら、それで構わないと確認した
- ☐ 自分のローン金利と控除率0.7%を比べてみた
- ☐ 繰り上げ返済の「期間短縮型/返済額軽減型」の違いを理解した
- ☐ 繰り上げ返済の手数料と1回の最低金額を、契約前に金融機関に聞いた
◆ここでワンポイントアドバイス◆
頭金の相談に来る方は、ほぼ全員が【物件価格から考え始めます】。
「2,500万円の家だから、頭金は何割にしよう」——この順番だと必ず足りなくなります。物件の後ろに並んでいる出費が、計算に入らないからです。
順番を逆にしてください。
【引っ越し・外構・教育費を先に数える。残りが頭金の上限】
それと、家電と家具は最後でいいんです。古い冷蔵庫は、あと2年がんばってくれます。ここもちゃんとテストに出ますよ!
◆ちょっとだけ裏話◆
「頭金はいくら入れればいいですか?」と聞かれたとき、私は金額を答えません。
答えられないんです。その方の貯金額も、親御さんが頼れるかどうかも、来年の進級でいくら飛ぶのかも、私は知らないからです。
だから質問を返します。「引っ越しと外構は、いくらで見ていますか?」
ここで黙ってしまう方が、本当に多い。でも、黙った時点でその方は気づきます。【まだ数えていない出費がある】ということに。
私の仕事は、金額を決めることではなく、数えていないものを思い出してもらうことだと思っています。
おわりに
「うちは頭金、いくら入れるのがいい?」「外構でいくら飛びましたか?」
そんなみなさんの疑問や体験談。コメント欄でお待ちしてます!
一緒に、後悔しない不動産取引を目指しましょう!
不動産売買仲介歴12年。「キレイごとなし、業界の本音」をコンセプトに情報発信中。
次回予告
住宅ローンの話が続きましたが、ローンを組むとき必ずセットになるのが【団体信用生命保険(団信)】。
次回は【団信って何?入るべき?】を、仲介のプロの目線で本音解説します。
それでは次回もお楽しみに!



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