みなさんこんにちは!本音みなとです!
今日も不動産の本音をお伝えしていきます。今回は浜松の不動産事情シリーズ、テーマは「空き家と相続」です。
もちろん今日も、皆さんへの営業活動は一切しません笑
それでは行きましょう!
浜松でも高齢化が進むなかで、この相談が本当に増えました。
「親が亡くなって、実家が空き家になっているんです」
そして、その多くの方が同じことをおっしゃいます。
「まだ何も決めていなくて・・・」
お気持ちはよく分かります。実家は思い出の場所ですし、兄弟で話すのも気が重い。だから、つい先延ばしになる。
ただ、ここで正直に申し上げます。
【実家の相続は、時間が経つほど選べる道が減っていきます】
今日は、実家を相続したときに【最初に確認してほしい3つのこと】をお伝えします。難しい話は最小限にして、確認する順番だけ持ち帰っていただければ十分です。
今回も貸鯉さんと雑井さんの例を見てみましょう!
雑井さんは、浜松市内の実家を3人兄弟で相続しました。誰も住む予定はありませんでしたが、話し合うきっかけもないまま「そのうち考えよう」で4年が過ぎました。ようやく売却を決めたとき、税理士さんからこう言われます。「その特例、もう使えません」。相続から3年の期限を過ぎていたのです。さらにその間、庭の草が道路にはみ出して近隣から市に連絡が入り、対応に追われることになりました。
貸鯉さんは、同じように実家を相続しました。ただ、相続した直後に建物の建築年を調べています。昭和55年築でした。ここで「3年以内なら税金の特例が使える」と分かり、期限を意識して2年目に売却。買主が古家を取り壊す条件でしたが、それでも特例が使えて譲渡所得税はゼロでした。
同じ「実家の空き家」でも、【最初に確認したかどうか】でここまで変わります。

①まず、「浜松は空き家だらけ」は誤解です
本題に入る前に、ひとつ誤解を解かせてください。
「浜松は空き家が多いんですよね」とよく言われます。実際はどうか。
浜松市が公表している最新の計画によると、市内の空き家は約47,000戸、空き家率は13.0%です。平成30年の住宅・土地統計調査に基づく数字です。
そして同じ調査での全国の空き家率は13.6%。
つまり、こうです。
【浜松の空き家率は、全国平均よりむしろ低いです】
では問題ないのかというと、そうではありません。市の計画にはこう書かれています。
【危険な空家等となりやすい「居住世帯のない一戸建空き家」は、300戸増加している】
ここが本質だと思います。マンションの空き室が増えているのではなく、【誰も住まない一戸建てが増えている】。放置されると草が伸び、屋根が傷み、近隣に迷惑がかかるのはこちらです。
そして浜松市自身が、その原因をはっきり挙げています。
- ◆ 子どもが相続で親の住まいを取得したが居住しない
- ◆ 兄弟間の相続等で、自分が相続人であると気付かない
- ◆ 相続人が多数となり、相続や管理の代表が決まらない
3つとも【相続】です。
数の問題ではなく、相続の手続きが止まっていることが問題なんです。だから今日は、そこだけをお話しします。

②確認1:名義が、誰になっているか
最初に確認するのはここです。
【実家の名義が、亡くなった親のままになっていませんか】
登記簿の名義が故人のままだと、売ることも、貸すことも、担保に入れることもできません。まずここを動かさないと、他の選択肢が全部使えないんです。
そして2024年4月から、これは義務になりました。
【相続登記をしないまま放置することは、できなくなりました】
期限は、不動産を相続したと知った日、または遺産分割がまとまった日から3年以内です。正当な理由なく放置すると、10万円以下の過料の対象になります。
ここで多くの方が誤解されるのが、この点です。
【2024年4月より前に相続した実家も、対象になります】
「うちは10年前の相続だから関係ない」ということはありません。その場合は2024年4月1日から3年、つまり2027年3月末までが期限になります。すでに残り時間は多くありません。
浜松でよくあるのが、こういうケースです。
- ◆ 兄弟が県外に出ていて、集まって話す機会がない
- ◆ 祖父母の代の名義のままになっていて、相続人が10人以上いる
- ◆ なんとなく「自分は関係ない」と思っている
3つ目が一番やっかいです。市も原因として挙げていましたが、【相続人であることに気付いていない方が実際にいます】。
名義の確認は、法務局で登記事項証明書を取れば分かります。600円ほどです。まずここから始めてください。

③確認2:その家が、いつ建てられたか
2つ目は建築年です。「なぜ?」と思われますよね笑。
理由はこれです。
【古い家ほど、税金の特例が使える可能性があります】
基準になるのは、昭和56年5月31日以前に建てられたかどうかです。
相続した空き家を売ったときに、譲渡所得から最大3,000万円を差し引ける制度があります。正式には「被相続人の居住用財産を売ったときの特例」といいます。
ここは大事なので、はっきりさせておきます。
【この特例は、マイホームの3,000万円控除とは別の制度です】
VOL.29でお伝えしたのは、自分が住んでいた家を売るときの特例でした。今回のものは【親が住んでいた家を相続して売るとき】の特例です。混同されている方が本当に多いので、ここだけは覚えて帰ってください。
主な要件を整理します。
- ◯ 昭和56年5月31日以前に建築された家であること
- ◯ 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること
- ◯ 相続のときから売るときまで、事業・貸付け・居住に使っていないこと
- ◯ 売却代金が1億円以下であること
そして制度自体にも期限があります。令和9年12月31日までの売却が対象です。
冒頭の雑井さんが引っかかったのは、2つ目です。【相続から3年】という期限を知らないまま4年が過ぎてしまいました。
そしてもう2つ、知っておいていただきたい改正があります。
【相続人が3人以上いる場合、控除額は2,000万円になります】
令和6年1月1日以後の売却からです。雑井さんは3人兄弟でしたので、期限内に売っていたとしても2,000万円でした。それでも大きな金額です。
もうひとつは、実務が大きく変わった改正です。
【令和6年から、買主が取り壊しても特例が使えるようになりました】
以前は、売主が自分で耐震改修するか取り壊してから引き渡す必要がありました。数百万円を先に負担しなければならず、これがネックで諦める方が多かったんです。
いまは、売却した年の翌年2月15日までに買主が耐震改修または取り壊しをすれば認められます。貸鯉さんが特例を使えたのは、この改正のおかげです。
【古い家だからこそ、特例が使えるかもしれない】。ここは覚えておいてください。

④確認3:置いておくと、いくらかかるか
3つ目は、判断を先送りしたときのコストです。
「空き家だから固定資産税は安いだろう」と思われる方がいますが、これは逆です。
【家が建っている土地は、固定資産税が軽くなっています】
住宅用地の特例といって、200平方メートルまでの部分は課税標準が6分の1になります。つまり、家があるおかげで安くなっているわけです。
問題はここからです。
【放置された空き家は、その軽減を外されることがあります】
令和5年12月に空家等対策特別措置法が改正され、「管理不全空家等」という区分ができました。特定空家になる手前の段階、たとえば草が伸び放題、屋根や外壁が傷んできた、といった状態です。
市から指導を受け、それでも改善せず勧告に至ると、住宅用地の特例が外れます。
軽減が外れると、土地の固定資産税は最大でおよそ6倍になります。
雑井さんが近隣からの連絡で慌てたのは、まさにこの流れの入口でした。
さらに、費用は税金だけではありません。
- ◆ 草刈り・庭木の手入れ(浜松は夏の草の伸びが早いです)
- ◆ 火災保険(空き家は割高になるか、そもそも入れないことがあります)
- ◆ 電気・水道の基本料金
- ◆ 遠方に住んでいる場合の交通費
【何もしていないのにお金だけ出ていく状態が、毎年続きます】

⑤浜松で「売りにくい実家」になりやすい条件
ここからは、浜松ならではの話です。
同じ空き家でも、売りやすい家と売りにくい家があります。ここを早めに知っておくと、判断がぶれません。
【市街化調整区域にあるか】
浜松市は市域が広く、調整区域が多いエリアです。以前の記事でも触れましたが、調整区域は誰でも家を建てられるわけではないため、買える人が限られます。実家がここにあるなら、時間がかかる前提で動いたほうがいいです。
【接道と駐車場】
前面道路に2メートル以上接していないと再建築ができません。また浜松は車社会なので、駐車場が1台分しかない家は敬遠されます。この2つは、あとから直せません。
【建物を残すか、更地にするか】
古い家は「解体して更地にしたほうが売れる」と思われがちですが、必ずしもそうではありません。更地にすると住宅用地の特例が外れて固定資産税が上がりますし、③でお伝えしたとおり、いまは買主に取り壊してもらっても特例が使えます。
【解体を急ぐ必要は、以前ほどありません】
売れない原因の切り分け方はこちらの記事で詳しくお伝えしています。実家が売れないときも考え方は同じです。
〜ワンポイント・アドバイス〜
いろいろお伝えしましたが、皆さんが気になるのは「結局、まず何をすればいいの・・・」ですよね笑。
3つも確認するのは大変だと思われたかもしれません。
でも、ここだけは確実にやってください。それは・・・
【相続した日を、家族全員が分かる場所に書いておく】
拍子抜けされたかもしれません。でも、これが一番効きます。
理由はシンプルです。
【実家の相続で失う金額のほとんどは、期限切れで発生しているからです】
思い出してください。今日出てきた期限は全部、相続した日が起点でした。
- ◯ 相続登記の3年
- ◯ 3,000万円特別控除の3年目の12月31日
雑井さんは判断を間違えたのではありません。【期限があることを知らなかっただけ】です。そして気づいたときには、選べる道が減っていました。
だから、難しい判断は後回しでいいんです。まず日付を共有してください。兄弟のグループLINEに一言送るだけでも構いません。
そのうえで、1年目のうちに一度だけ、専門家に見てもらってください。名義の状態と建築年、この2つが分かれば、使える制度と期限がはっきりします。あとはそこから逆算するだけです。
【急いで売る必要はありません。急いで確認するだけです】
ここを取り違えないでください。私は「早く売りましょう」とは申し上げません。貸すのも、住むのも、そのまま持ち続けるのも立派な選択です。ただ、その選択を【自分で選べる状態】にしておいてほしいんです。

まとめ:実家を相続したときのチェックリスト
順番どおりに確認してください。
- ☐ 相続が発生した日を家族で共有した
- ☐ 登記簿の名義を確認した(故人のままになっていないか)
- ☐ 相続登記の期限を把握した(3年以内・2024年3月以前の相続は2027年3月末まで)
- ☐ 建物の建築年を確認した(昭和56年5月31日以前かどうか)
- ☐ 3,000万円特別控除の期限を計算した(相続開始から3年目の12月31日)
- ☐ 相続人が何人いるか確認した(3人以上なら控除は2,000万円)
- ☐ 市街化調整区域かどうか確認した
- ☐ 接道と駐車場の状況を確認した
- ☐ 年間の維持費を計算した(固定資産税・保険・草刈り・交通費)
そして忘れないでください。
【空き家問題の本体は、建物ではなく相続の手続きです】
浜松市が挙げた原因3つとも相続でした。建物が古いことが問題なのではなく、決められないまま時間が過ぎることが問題なんです。
最後に
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
実家の相続について「これは誰に聞けばいいのか分からない」ということがあれば、ぜひコメント欄で気軽に教えてください!
そして、すでに実家を相続された先輩方!やってよかったこと、もっと早くやればよかったことを、後輩のみなさんに是非教えてください✨️ 経験談が一番参考になります。
実家のことで判断に迷ったときは、信頼できるお近くの不動産屋さんに相談してみてください。見つけ方は、このブログを読んでくれている皆さんなら知っていますよね!
浜松の不動産事情シリーズ、次回は「家を買う前に見るハザードマップ」をお届けする予定です。
一緒に、後悔しない不動産取引を目指しましょう!
不動産売買仲介歴12年。「キレイごとなし、業界の本音」をコンセプトに情報発信中。



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