みなさんこんにちは!本音みなとです!
今日も不動産の本音をお伝えしていきます。今回のテーマは「買付証明書」。
もちろん今日も、皆さんへの営業活動は一切しません笑
それでは行きましょう!
前回まで、売主さんの話を10回にわたってお伝えしてきました。今回から買主さんメインのお話です。
さて、気に入った物件が見つかったとき。担当者さんからこのようにお話があります。
「では、買付証明書をご記入ください」
そして紙を渡される。ここで多くの方が、こう思うんです。
「これって・・・契約なの?書いたら、もう断れないの?」
不安ですね💦 名前も「証明書」なんて仰々しいですし、金額まで書くわけですから。
みなさんのその注意力!とても大事ですよ!!
意味の分からない書類にサインしてしまうのは絶対にダメです💦
今日は、この書類の正体をはっきりさせます。予告でお伝えしたとおり、【業者側の駆け引き】についても正直にお話しします。
今回も貸鯉さんと雑井さんの例を見てみましょう!
雑井さんは、いい物件を見つけて買付証明書を提出しました。少しでも安く買いたいと思い、3,480万円の物件に3,000万円と書きました。相場も確認せず、なんとなく「1割以上引ければラッキー」という感覚です。結果、売主から返ってきた答えは「その条件では検討できません」の一言。その3日後、別の買主から3,480万円で買付証明書が提出されこの物件の売却が決まりました。雑井さんは交渉のテーブルにすら着けませんでした・・・
貸鯉さんは、同じくらいの物件で買付証明書を提出しました。事前に周辺の成約事例を担当者に出してもらい、3,480万円に対して3,380万円。100万円だけ下げた金額です。そして【住宅ローンの事前審査に通った書類】を添えて提出しました。売主は「この人なら確実に決済まで進めそう」と判断し、買付金額+50万円の3,430万円で折り合いがつきました。50万円の値引きに成功しました✨️
同じ「買付証明書」でも、【中身と添えるもの】でここまで変わります。

①結論:契約ではありません。でも軽い書類でもありません
まずここを押さえましょう!
【買付証明書に法的な拘束力はありません】
これがはっきりした答えです。買付証明書は「この条件で買いたい」という意思表示であって、売買契約ではありません。
つまり、こうです。
- ◯ 出したあとでもキャンセルできる
- ◯ 違約金は発生しない
- ◯ 申込金を預けていた場合は返金される
「もう断れないのでは」という心配は、法律上は不要です。
ただし、ここからが大事なところです。
【法的に自由なことと、やっていいことは違います】
買付証明書を受け取った売主は、それを前提に動き始めます。他の買主からの問い合わせを断ることもありますし、引っ越しの準備を始める方もいます。
そこで簡単にひっくり返されたら、どう思うでしょうか。
正直に申し上げると、【何度も買付証明書を出しては取り下げる買主は、業者の間で警戒されます】。次に別の物件で申し込んでも、「この人はまた撤回するかもしれない」と見られてしまう。狭い地域では、そういう情報は共有されます。
さらに注意点がひとつ。売主が売買を前提に費用のかかる作業を始めていた場合、【損害賠償を求められる可能性はゼロではありません】。実際に請求されるケースは多くありませんが、「絶対に大丈夫」ではないことは知っておいてください。
だから私はこうお伝えしています。
【提示した条件でokされたら、購入する決意ができたら買付証明書を提出してください】

②何を書く書類なのか
では中身を見ていきましょう。書式は会社ごとに違いますが、書く項目はだいたい共通しています。
【買付証明書の主な記載項目】
- ◯ 購入希望価格(ここが一番の勝負どころ)
- ◯ 手付金の額
- ◯ 残代金の支払い時期・引渡し希望日
- ◯ 住宅ローンの利用予定と依頼先の金融機関
- ◯ 融資特約の有無
- ◯ この書類の有効期限
- ◯ 買主の氏名・住所(年収の記入欄がある書式も)
このうち、多くの方が価格しか見ていません。でも実は、【価格以外の項目が結果を左右します】。
理由は③でお話ししますが、先に一つだけ挙げておきます。
【融資特約は、必ず入れてください】
融資特約とは、住宅ローンの審査が通らなかった場合に、契約を白紙に戻せる条項です。これがないと、ローンが下りなくても契約は生きたまま。手付金を放棄することになりかねません。
ローンを使うなら、これは必須です。「特約を外せば通りやすくなりますよ」と言われることがあるかもしれませんが、【外していいのは現金で買える方だけ】です。
【もうひとつ、有効期限も見ておいてください】
意外と知られていないのが、この書類には期限があるということ。一般的には1〜2週間です。売主が何ヶ月も検討し続けられるわけではありません。条件交渉に時間がかかりそうなら、少し余裕を持って設定しておくと安心です。

③「値段を書いたら通るの?」への正直な答え
ここが一番気になるところだと思います。結論から言います。
【値引き交渉が通るかどうかは、物件によってまったく違います】
参考になる数字をお伝えします。東京23区の中古マンションで値引きが成立した場合、売り出し価格の3〜5%というのが多数派です。人気エリアの人気物件では0〜2%、あるいは【満額での成約も珍しくありません】。
つまり「1割引き」を期待するのは、多くの場合きびしいということです。
そして、ここが冒頭の雑井さんの失敗です。
【相談なく大幅な値引き交渉を入れると、優先順位が下げられます】
売主から見れば、相場を無視した金額を書いてくる買主は「本気ではない」あるいは「話が通じない」と映ります。交渉のテーブルにすら着けないまま、後回しにされる。実際によくあることです。
では、どう考えればいいか。
【「何割下がるか」より「この物件に値引きの余地があるか」を先に見る】
判断材料はこのあたりです。
- ◯ 売り出しからどれくらい経っているか(長いほど余地がある)
- ◯ 価格改定の履歴があるか
- ◯ 周辺の成約事例と比べて割高か
- ◯ 売主が急いでいる事情があるか
VOL.26でお伝えしたとおり、売却期間は平均3〜6ヶ月です。売り出して1週間の物件と、6ヶ月経った物件では、まったく状況が違います。
【売り出し直後の物件に大きな値引き交渉は、まず通りません】
VOL.24で書いたとおり、売主にとって最初の2週間は一番反響が集まる時期です。そこで安値の申込みを受ける理由がないんです。

④業者側の駆け引きを、正直にお話しします
さて、ここが今回の本音パート🔥予告でお約束した部分ですね!
まず知っておいていただきたいのは、この点です。
【買付証明書の順番に、法的な決まりはありません】
「先に出したほうが優先」と思われがちですが、そうとは限りません。最終的に誰と契約するかを決めるのは、売主です。
では、売主は何を見て決めるのか。
【同じ価格なら、確実に決済まで進む買主が選ばれます】
具体的には、こういう順で強くなります。
- ◯ 現金で購入する買主(最強)
- ◯ 住宅ローンの事前審査に通っている買主
- ◯ これから審査を受ける買主
- ◆ 自宅の売却が前提の買主(VOL.30の買い替え特約の話です)
だから貸鯉さんは、事前審査の書類を添えて出したわけです。同じ金額でも、【売主から見たリスクが違う】んです。
そしてここからが、業界の内側の話になります。
【ここだけの話】買付証明書が複数入ったとき、業者側には「どちらを売主に強く勧めるか」という裁量が生まれます。そして正直に申し上げると、【自社で買主も見つけた取引(両手)のほうが、業者の収入は倍になります】。記事#1で書いたとおりです。だから他社経由の申込みより、自社の買主を優先したくなる力学が働きます。もちろん、それをせず公平に扱う会社のほうが多数です。ただ、そういう構造があることは知っておいてください。
対策はシンプルです。
【申込みを出したら、その後の経過を必ず聞く】
「他に申込みは入っていますか」「売主さんの反応はいかがですか」。この2つを聞くだけで、放置されにくくなります。VOL.27でお伝えした「数字で聞く」のと同じ考え方です。

⑤出す前に、これだけは確認してください
最後に実務的な話をまとめます。買付証明書を出す前のチェックです。
【確認1:住宅ローンの事前審査を先に通しておく】
③と④でお伝えしたとおり、これが最大の差になります。VOL.10で事前審査の話を書きましたが、【物件が決まってから審査を受けるのでは遅い】んです。
先に通しておけば、いい物件が出たときに一番強い立場で申し込めます。
【確認2:価格の根拠を担当者に出してもらう】
「いくらで出しますか」と聞かれたら、その前にこう返してください。
「近隣の成約事例を見せてください。この価格は妥当ですか?」
根拠なしに金額を決めるから、雑井さんのようになります。
【確認3:融資特約と有効期限を確認する】
書式に入っているか、必ず目で見てください。担当者任せにしない。
【確認4:複数の物件に同時に出さない】
法的には可能です。でも、どちらも通ってしまったらどうしますか。片方を断ることになり、信用を失います。
【本気で買いたい1件に、1通】。これが基本です。
〜ワンポイント・アドバイス〜
いろいろお伝えしましたが、皆さんが気になるのは「結局、いくらで書けばいいの・・・」ですよね笑。相場を見ろと言われても、素人には判断が難しい・・・
しかし!ここだけは確実にやってください!それは・・・
【買付証明書を書く前に、住宅ローンの事前審査を通しておく】
金額の話ではなく、こちらです。
なぜ金額より事前審査なのか。理由はシンプルです。
【価格は交渉できますが、信用は交渉できないからです】
100万円下げてくれと頼むことはできます。でも「私は確実に決済できます」と口で言っても、売主には伝わりません。事前審査の書類は、それを客観的に証明してくれる唯一のものなんです。
そして面白いことに、【事前審査に通っていると、値引き交渉も通りやすくなります】。
売主から見れば、確実に決済してくれる買主が100万円下げてくれと言ってきた場合と、ローンが通るかも分からない買主が同じことを言ってきた場合では、受け止め方がまったく違います。前者なら「この人なら決まる。50万円なら」という交渉が始まる。後者は検討すらされません。
つまり事前審査は、【安く買うための武器にもなる】ということです。
物件を探し始めたら、まず銀行へ。順番を間違えないでくださいね✨️

まとめ:買付証明書チェックリスト
提出する前に、この項目を確認してください。
- ☐ 住宅ローンの事前審査に通っている
- ☐ 近隣の成約事例を見せてもらった
- ☐ 売り出しからの経過期間と価格改定の履歴を確認した
- ☐ 値引き交渉の金額に根拠がある(相場から大きく外れていない)
- ☐ 融資特約が入っていることを目で確認した
- ☐ 有効期限を確認した
- ☐ 手付金の額を無理のない範囲で設定した
- ☐ 本気で買いたい1件だけに出している
そして忘れないでください。
【買付証明書は契約ではない。でも、あなたの本気度を伝える最初の書類です】
法的に自由だからこそ、その自由の使い方で人柄が伝わります。
次回予告
買付証明書を出して、交渉して、契約する。これが一般的な売買の流れです。
でも実は、まったく違うルートで不動産を手に入れる方法があります。
【競売】
「相場より安く買える」と聞いたことがあるかもしれません。実際、安いんです。ただ、なぜ安いのかを知らないまま手を出すと、取り返しのつかないことになります。
次回は【競売物件のリスク|なぜ素人には難しいのか】をお伝えしていきましょう!
内見ができない、売主の責任を追及できない、前に住んでいた方が出ていかないことがある。普通の売買では当たり前のことが、競売では当たり前ではありません。そこを正直にお話しします。
最後に
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
買付証明書について「これは聞きにくい」と思っていることや、実際に出してみて困ったことがあれば、ぜひコメント欄で気軽に教えてください!
そして、すでにマイホームを手に入れた先輩方!買付証明書を出したときのこと、値引き交渉が通ったか通らなかったかを、後輩のみなさんに是非教えてください✨️ 経験談が一番参考になります。
一緒に、後悔しない不動産取引を目指しましょう!
不動産売買仲介歴12年。「キレイごとなし、業界の本音」をコンセプトに情報発信中。



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